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6月の3日から6日にかけて埼玉県戸田市のオリンピックコースでボートの全日本選手権が行われました。

2004年06月08日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2004/6/8)
6月の3日から6日にかけて埼玉県戸田市のオリンピックコースでボートの全日本選手権が行われました。ボートの花といわれるエイトでは、東レの火の玉のようなラストスパートを振り切って明治安田生命が二年連続の優勝を果たしました。 ボートは2000mの直線コースで勝ち負けを競うという極めてシンプルな競技ですが、技術的にはなかなかに奥深いものがあります。
平均時速20kmで水面を走るエイトに乗って3mを超えるオールで的確に艇を進めるには、オールを水に出し入れする際の抵抗を最小にし、無駄な上下の動きをなくし、水平方向に体全体の力を伝えなくてはなりません。しかも、ボートは素人が乗ると全くバランスが取れない不安定な乗り物です。ボートでは1回の練習で1000回から2000回オールを引きますから、年間の練習回数を300回とすると、1年間にオールを引く回数は40、50万回になります。大学の1年から練習を始めたとすると、4年の最終レースに出るまでには、優に100万回はオールを引くことになるのです。しかも、昨今は学生チームが社会人チームに勝つことは難しくなっていますから、この回数ですら十分なものとはいえません。全日本のトップレベルの選手は2倍、3倍の回数をこなしているはずです。
オールで水を押すという単純な行為を習得するのにこれほどの努力が必要なのです。同じような話は他のスポーツの世界にもあることでしょう。 100万回繰り返さないと、決して見えてこない世界があることが、スポーツの奥深さなのです。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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