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先週は1997年から続いているSmart Community Consortium(通称SCC)の今年度の設立総会を開催させていただきました。

2003年06月24日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2003/06/24)
先週は1997年から続いているSmart Community Consortium(通称SCC)の今年度の設立総会を開催させていただきました。



先週は1997年から続いているSmart Community Consortium(通称SCC)の今年度の設立総会を開催させていただきました。

SCCはPFI法案の国会上程に先立つ1997年の5月に設立され、特に環境分野に注力したPFIやアウトソーシングのビジネスモデルやノウハウの開発を行なってきました。当日は梅雨の曇天にもかかわらず100人を超える方々にご参加いただきました。ご参加いただきました方々にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます。
今年のSCCのテーマは「日本版PFIのValue Upを目指して」です。
硬直的な日本の公共事業を改革すべく、大きな期待を背負って1998年に法律が成立した日本版PFIですが、最近では問題も指摘されています。1つは、PFIで民間資金を使うといっても、相変わらず不要不急の箱モノが目立つということです。海外ではBox PFIと揶揄する声もあります。もう1つは、付加価値の低い事業がある、ということです。
PFIではValue for Moneyを向上することが大きな目標となりますが、今のPFIではMoneyを下げることばかりに目が行き、肝心のValueを上げるための検討が十分ではない、ということです。そうなると、民間事業者は付加価値と自由度の低い事業に長期間に縛られることにもなりかねません。
私どもでは、1998年の「PFI公共投資の新手法」(日刊工業新聞社)以来、PFIは産業創造である、としてきました。SCCの本来の目的もここにあります。PFIは日本では珍しいかもしれませんが、海外では10数年も前から行なわれている施策です。今では従前の固定的な契約からより付加価値の高い事業が目指されています。
民栄えずしてPFIやアウトソーシングの成功はない。公共分野での産業インキュベーションを目指してSCCは新しいスタートを切ります。
先週ある方と夕食を共にしている時の話です。「グライダーが乱気流に巻き込まれた時には操縦桿を放してしまうがいいそうです。方向感覚を失っている時に機体を動かしても良い結果にならないからです」、「そして、機体が安定して、ここだと確信できた時に操縦桿を握って方向を正すのだそうです」。
グライダーのことかもしれませんが、何やらとても示唆的な話と思いました。
人生の方途に迷った時、組織が厳しい局面に直面した時、何かしなくてはいけないという気持ちにはやるがゆえ、間違った判断をしてしまうことはあります。そうした時、何より必要なのは冷静に返って、進むべき方向性を確かめることが何より大切なのは確かです。
しかし、乱気流の中で操縦桿を放つことが容易でないのと同じように、厳しい局面で冷静さを保ったり、これまでの流れを捨て去ることは容易ではありません。
宮本武蔵は真剣勝負の場において自然体、無心が重要であることを説いています。
世の中には皆が冷静さを失っている時に集団の方向性を示すことができる人がいます。そして、動揺した空気の中で冷静な言葉は力強く響きます。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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