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連休中は五月晴れというに相応しい素晴らしい天気に恵まれましたが、その後は梅雨に入ったような天気が続いています。
2003年05月27日 井熊均
「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2003/05/27)
連休中は五月晴れというに相応しい素晴らしい天気に恵まれましたが、その後は梅雨に入ったような天気が続いています。ただ、晴れ間に恵まれた時は青々とした新緑が陽光に映えます。
千鳥が淵を埋め尽くす桜はもちろんですが、それが終わった新緑にも四季に恵まれた日本ならではの美しさがあります。
10年くらい前まで、親戚の別荘を借りてよく箱根に行っていました。この時期の箱根の森の美しさはまた格別なものがあります。
箱根には数々の名所がありますが、彫刻の森美術館は豊かな自然と造形美が織り成す独特の魅力を持つ人気のエリアです。
自然の空間を巧みに使って数多くの作品が戸外に配置されている中に、「ピカソ館」と呼ばれる稀代の芸術家ピカソの作品を集めた建物があります。
照明を抑えた厳粛な雰囲気の館内に入って始めに目にするのは大型の絵画であったように思います。そこから階段を上るとガラスのケースがあって、小型の作品やピカソ自身のポートレイトと共に、逸話やピカソ自身の言葉が紹介されていました。
その中の1つに、「やっと、子供のような絵が描けるようになった」とありました。
ピカソ晩年の言葉であるといいます。あらゆるタイプの作品にいかんなく才能を発揮した天才が最後に行き着いたのは、何も飾らない素直な作品であったということでしょう。毎日の生活の中で、つい忘れがちな本質を思い出させてくれる言葉の「作品」は今も箱根の新緑とともによみがえってきます。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。