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コラム「研究員のココロ」

合理的な思考法を学びませんか
~TM法(*1)のご紹介を兼ねて~

2002年10月14日 小林卓也


なぜ「合理的な思考法」が必要なのか

 社員が直面する問題はますます複雑化し、しかも刻々と状況が変化する中で、より正しい判断をよりスピーディに進めなくてはいけません。過去に似た経験のある問題であれば、記憶や経験を基に解決することができます。しかしながら今までとは全く異なる問題に対しては、記憶や経験だけでは解決できません。未経験の問題を無駄なく効率的に解決するためには、「合理的な思考法」が必要になってきます。



「合理的な思考法」の事例 《 TM法(*1)による考え方の整理 》

 直面する問題の多くは、[1]何が問題であるかを明らかにすることなのか、[2]原因を究明することなのか、[3]何かを決定することなのか、[4]対策を講じることなのか、のいずれかに区分できます。「合理的な思考法」とは、こうした状況分析、原因究明、意志決定、リスク分析を効果的にすすめる手法です。

 この「合理的な思考法」のひとつにTM法(*1)があります。原因究明、決定、リスク分析を例にとると、TM法(*1)では次のように順序だてて考えていきます。

《 原因究明 》
 何か不具合が発生している事象と、同じように不具合が発生していても良いのに実際は発生していない事象との差異や、不具合が発生している事象の変化に着目して、原因を見きわめていきます。WHAT・WHEN・WHERE・HOWを切り口に、想定される原因を洗い出し、それらが各々の事象に対して矛盾なく説明できるかどうか、で最も可能性の高い原因を特定します。

《 決定 》
 まず判断基準の作成から取り組みます。何かを決める過程では、判断するうえで重視する項目がいくつかでてきます。決定するにあたり、絶対に維持確保しなければならないもの、それを踏まえた上で優先度の高いものからウェイト付けする中で判断基準を作り、その後に最適案を策定、決定していきます。最適案の候補を絞り込んだ後に、実行段階のマイナス要素(不具合が発生する可能性と発生した時の影響)を検討し、最適案を決定します。

《 リスク分析 》
 実行業務をおおよそスケジューリング、区分する中で、どこに不具合が発生しやすいかを明らかにします。検討の対象は人や物、時間、手法等々幅広くなりますが、その中で最も危険性が高い部分のみを検討するようにし、無駄な対策を打たないようにします。不具合の発生を予防する対策と万一不具合が発生したときの対策について、不具合が発生する可能性と発生した時の影響という切り口で検討します。


「合理的な思考法」の具体的な効果

 「合理的な思考法」を習得して問題を解決できるようになれば、経験がない問題であっても、よりスピーディにかつ妥当性の高い解決が可能です。また実務上では次のような効果が期待できます。

人や設備、金銭、時間等、仕事上のムダの省略
顧客ニーズの的確な把握
リーダーシップの発揮
発生した被害の最小化


トレーニングを実施しませんか

 このように「合理的な思考法」は、具体的な成果の質をあげていくためのツールとして有効です。内容も難しいことはなく、コツさえ理解できれば誰もが共有できます。これらのコツは、初期トレーニングを通じて学んでいくことになります。

 「合理的な思考法」ができるようになると仕事上のチャンスが増えたり得することがある、あるいは人材開発に役立つ、等々メリットがありそうだとお考えであれば、人材開発プログラムの中に加えてみてはいかがでしょうか。
当クラスターでは上記で紹介したTM法(*1)のトレーニングについて、ご要望に対応できるようにしています。

(*1) TM法とは株式会社シンキングマネジメント研究所 代表取締役 今井 繁之氏が提唱する合理的思考プロセスの手法です。
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