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何年か前までニューヨークの地下鉄といえば危険な乗り物の代名詞のようでしたが、最近では市民が安心して使える交通機関になったといいます。

2003年03月11日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2003/03/11)
何年か前までニューヨークの地下鉄といえば危険な乗り物の代名詞のようでしたが、最近では市民が安心して使える交通機関になったといえます。
危険だった地下鉄を甦らしたのは、凶悪犯罪の取締りではなく、 いわば環境作りとも取り組みでした。
まず、落書きだらけだった車両や壁をきれいにする、その後は、 無賃乗車のような違反、軽犯罪を徹底的に取り締まる、といった具合です。
結果として、殺人のような重大犯罪の件数は1/3になったそうです。 汚れた壁や、小さな違反が平然と行われる環境が重大な犯罪の温床になっていたということでしょう。
同じような話はビジネスの世界でもあります。
生産性の高い工場は綺麗に掃除され整然としているといいます。 競争力のある会社の社員は礼儀もしっかりしているといいます。 成果を出している人や組織は基本もしっかりできている、という ことでしょう。
創発戦略センターは何時も新しい活動を生み出そうとしている組織なのですが、この話を聞いて、創発にも環境は大事だと思いました。
例えば、誰かが、アイデアを出した時、根拠を求めたり、シニカルなコメントをしたり、ということは何処にでもありがちです。 でも、よく考ると、新しいことをやろうとしているのですから、 根拠や皆が納得できるファクトなんか十分にあるわけないのです。
聞くべきことは、なるほど、やろう、と思える物語を語れるか どうかです。その上で、全員の合意が得られなくても物語りを 取り上げられるかどうかに、その組織の可能性がかかっていると言えます。
他人の話す物語を前向きで聞ける姿勢こそ、新しいビジネスが立ち上がるための環境と言えるのでしょう。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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