IKUMA message
年明け早々、平成の大横綱貴乃花が引退しました。若干30歳にして体力の限界を感じて引退しなくてはならないプロの世界の厳しさを改めて感じます。
2003年02月12日 井熊均
「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2003/02/12)
年明け早々、平成の大横綱貴乃花が引退しました。
若干30歳にして体力の限界を感じて引退しなくてはならないプロの世界の厳しさを改めて感じます。
相撲史上特筆できる成績を残した横綱の引退だけあって、 TVを始めとする様々なメディアが引退報道を取り上げました。 週末時間があったこともあり、30分ほど貴乃花のインタビューをTVで見る機会を得ることができました。
決して感情を込めて 話すでもなく、ただ聞かれたことを淡々と訥々と語る対話でしたが、恐らく自分だけではなく、多く人の心打つものがあった ことでしょう。
30歳といえば、ビジネスの世界ではようやく一人立ちしようとする頃なのですが、画面に映る貴乃花の顔には哲人のごとき深みを感じることができました。
隆々とした筋肉は特別な練習ではなく、相撲の基礎練習にただ黙々と打ち込んできたことの結果であると語っていました。
我々は、時折、スポーツの世界で一流を極めた青年の顔や言葉に同じような感銘を受けることがあります。
四股を踏むこともボールを打つことも一つ一つは単純な動作です。しかし、それを数万回繰り返し、国技の頂点を背負う プレッシャーに耐え続けることは、小難しい理屈を何万回語るよりもはるかに深い真理に達することができるのでしょう。
頂点を極めた何人かの若者の姿はそうした真理の形を見せてくれます。
そして、ビジネスの世界で常人の理解を超える成果を見せる人にも同じような姿を見ることがあります。 真理の形は決して対岸のことではありません。 シンクタンクでありながら行を求める理由はここにこそあります。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。