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12月2日、私自身にとって恒例となっている東大の産業総論での講演を行いました。

2009年12月08日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2009/12/08)
12月2日、私自身にとって恒例となっている東大の産業総論での講演を行いました。大学三年生を中心とし、4年生、大学院1年、2年生200人くらいが一時間半熱心に聴いてくれました。毎年、この講演で第一に心がけているのは、彼らが社会に出て、楽しくやりがいのある仕事ができるために、少しでも役に立つ話をすることです。それに加えて話すのは、社会人の先輩として彼等に託したいことです。

後者について今年強調したのは、世界に目を向けて欲しい、ということです。昨今、多くの日本企業が海外市場に成長を見出そうとしています。市場だけでなく、日本の将来に対して明るいイメージを持っている人は必ずしも多くありません。隣国中国の怒涛のごとくの成長、高齢化や人口減少、あるいは財政問題などがそうした思いの裏にあるのでしょう。

しかし、状況がいかにあれ、力強く将来を切り拓こうとした国はあります。例えば、1970年代末、英国病と称され沈滞したイギリスは市場メカニズムの導入により新たな時代を拓きました。金融危機後は厳しい経済情勢が続いていますが、移り変わりの速い世の中で20年余に渡って、世界経済の先端を走り得たことは賞賛されるべきでしょう。

こと教壇の上で今の日本の最も重要な問題と思っているのは教育です。特に、ノブレス・オブリージュという言葉に代表される高い志を持つ若者を育てるプログラムがなかったこと、日本の良さを失わせる根拠薄弱な教育論が展開されたことは大きな問題であると思います。一方、欧米諸国や中国に行くと、我々が見失った人づくりのシステムが連綿とあるように見えます。

日本でも歴史の重要な転換点では、海を超える目線を持った人材が輩出しました。年に一度の講演の機会で伝えたいのは、一人でも多く、海外に伍そうと思う人が出て欲しい、という願いなのです。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上・下]川口のハーフマラソンに出ました。3年連続完走です。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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