2005年03月18日 |
日銀短観(3月調査)予測 |
日銀短観(3月調査)予測 |
4月1日発表予定の日銀短観(3月調査)は、わが国景気が依然として踊り場的な状態にあることを示す内容となる見通し。もっとも、先行きの企業マインドは改善が見込まれ、また設備投資計画も底堅く推移するなど、徐々に景気回復に向けた動きが強まっていることも示される見通し。 3月の業況判断DIは、全規模・全産業ベースで12月対比横ばいとなる見通し。製造業・大企業では、生産・輸出の回復の遅れ、素材価格上昇などによる利益率低下などを背景に、2期連続の悪化になると予想。一方、非製造業では、国内での建設投資・個人消費の堅調を受けて、小幅改善となる見通し。6月見通しでは、在庫調整の終了に伴う生産の持ち直しや、愛知万博などによる個人消費回復期待などが織り込まれる結果、製造業・非製造業ともに業況判断DIが改善すると予想。 2004年度の設備投資額は、製造業を中心に、前向きの姿勢が続いていることが示される見通し。製造業・大企業では素材業種での能力増強投資や半導体関連投資の回復などを背景に3年連続の増加が見込まれるほか、非製造業でも期初段階としては比較的高い計画となる見通し。 1.業況判断DI (1)全規模・全産業の3月実績値は、前回調査(12月)対比+0%ポイントと横ばいにとどまり、景気の踊り場的な状況が続いていることを示す見通し。もっとも、前回見通し対比+4%ポイントの上方修正であり、また水準でみてもプラス圏内にとどまっていることから、企業マインドは底堅い状態が続いていると判断。 (2)製造業・大企業では、12月調査に比べて▲1%ポイントと、2期連続の悪化となる見通し。生産・輸出の回復が遅れていることに加え、加工部門を中心に素材価格上昇などを主因とした利益率低下がみられることが背景。とりわけ、これまで輸出を牽引してきた中国向け輸出がピークアウトしていること、および原油価格の上昇ペースが再び強まっていることが最大の懸念材料。もっとも、最終需要をみると、外需の牽引力は低下する一方で、内需の緩やかな増勢が続いているため、基調はそれほど悪くはない。総じて、製造業部門の活動は、やや弱含みながらも、「横ばい」圏内での推移と判断される。 一方、非製造業では、緩やかな改善傾向が持続する見込み。①工場・住宅を中心に建設投資が好調を維持していること、②所得環境の底打ちや、昨年9~12月の異常気象等による下振れからの反動増による個人消費の持ち直し、などを背景として、業況判断DIは緩やかに改善する見通し。 (3)6月見通しでは、製造業を中心に、回復に向けた動きが強まる見込み。すなわち、アジア向け輸出の牽引力は当面期待できないものの、電子部品・デバイス分野を中心とした在庫調整の終了などを背景に、製造業の生産活動が緩やかに持ち直していく見通し。また、非製造業でも、建設投資の増勢持続が見込まれるほか、3月25日から始まる愛知万博による個人消費押し上げ期待も織り込まれる見通し。 |
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2.設備投資計画 (1)2005年度の設備投資計画額は、製造業を中心に、前向きの姿勢が続いていることを確認する内容となる見通し。 (2)製造業では、鉱工業生産の持ち直しを見込んで、大企業・中堅企業などで増加の見込み。半導体関連の設備投資も底打ちから持ち直しに転じつつあるほか、素材関連の能力増強投資も引き続き堅調を維持する見通し。 (3)非製造業では、製造業に比べ慎重さが残るものの、期初段階としては総じて堅調な計画となる見込み。首都圏の再開発案件による牽引力は一巡することが予想されるものの、民間企業・個人による建設投資活発化、機械投資の持ち直しなどを受けて、建設・リースなどで底堅く推移する見込み。 |
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