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2004年12月10日

2004~2005年度改訂見通し

7~9月期2次速報、2003年度確報-家計部門が下方修正
 12月8日発表のGDP統計の改定により、2004年7~9月期以前のGDP実績が大きく修正されたが、足元の景気判断は変わらず。すなわち、電子デバイスの生産調整、輸出の増勢鈍化により景気のモメンタムは弱まっているものの、個人消費・設備投資が底堅く推移しているため、現在は、2002年度後半にみられたような「回復トレンドのなかでの一時的な調整局面」にあるという認識。
 今回の修正のポイントは以下の2点。

(1) 2003年度確報による名目値の修正
 詳細な供給側推計が行われた結果、家計部門が下方修正され、企業部門・政府部門が上方修正された。ただし、足元の名目GDPの水準は、個人消費の下方修正が大きかった影響で、0.2%ポイントの下方修正となった。個人消費の下方修正、設備投資の上方修正は、供給側推計を反映させるウエートのパラメーターが変動したことにより、これまでの過大・過小推計が実態経済の動きに近づくかたちで修正されたと解釈。

(2) チェーン(連鎖)デフレーターの導入
 直近のウエートを基準に実質化する方式に変更になり、デフレーターのパーシェ効果(基準時点から乖離するにしたがい下方バイアスが強まる)が剥落したため、デフレーターが上方修正され、それに伴い実質値が下方修正された。とりわけ、設備投資・個人消費デフレーターの下落幅が大きく縮小。

 なお、2004年1~3月期に設備投資が減少する一方、公共投資が大幅に増加したが、これは石油公団が民間子会社から資産を購入したことによるもの。したがって、設備投資の増加傾向、公共投資の減少傾向という実態も変わらず。


展望-2005年前半にかけて一時的な調整局面に
 先行きのシナリオは基本的に変更なし。ただし、連鎖方式のデフレーター導入により、実質GDPの予測値は、予測期間全体にわたって下方修正を行った。

 2004年度後半は、足元の調整局面が持続する見通し。[1]輸出の牽引力低下、[2]電子デバイスの在庫調整、[3]年金保険料引き上げ、配偶者特別控除廃止など家計負担増による個人消費の鈍化、を背景に、景気の減速傾向が持続。また、10月に上陸した大型台風、新潟県中越地震により、個人消費や鉱工業生産が下押しされた可能性も。もっとも、景気の下押し圧力はそれほど強くなく、設備投資も緩やかに回復するとみられることから、小幅ながらもプラス成長に持ち直す見通し。景気の基調はなお底堅い状態が続くと判断され、当面は、中期的な回復トレンドのなかでの、一時的な調整局面という位置付け。

 2005年度を展望すると、しばらくは調整色が残るものの、年度後半から回復に向けた動きが強まる見通し。すなわち、年度入り後は、[1]電子デバイスを中心とした生産調整が続くことに加え、それに関連する設備投資もラグをおいて弱含んでくること、[2]家計負担増による個人消費の牽引力低下、を背景に、調整局面が持続する見通し。
 もっとも、[1]中国経済の成長持続により輸出の増勢は続くこと、[2]電子デバイス分野での調整圧力は限定的であるほか、リストラ進展などを背景に企業部門の足腰が強まっていること、[3]所得・雇用環境の悪化が底を打ったこと、などを勘案すれば、景気が大きく落ち込んでいく事態は回避される見通し。年度後半以降、企業部門に牽引されて、持ち直しに向けた動きが強まると予想。

 なお、前回発表(11月16日)に比べると、実質GDP成長率は、2004年度は▲0.9%ポイント(3.0→2.1%)、2005年度は▲0.5%ポイント(1.9→1.4%)の下方修正。一方、名目GDPについては基本的に不変(ただし、2004年度は、実績値の水準変更等の影響から、▲0.1%ポイントの小幅下方修正)。
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