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リサーチ・アイ No.2024-095

第7次エネルギー基本計画案における「複数シナリオ」と今後の課題

2025年01月27日 新美陽大


2024年末、新たなエネルギー基本計画(案)(第7次エネ基案)が公開。パブリックコメントを経て、2月上旬までに閣議決定のうえ、正式に確定される見込み。

注目は、関連資料で初めて示された「複数シナリオ」。国民負担を最大限抑制し、エネルギー安定供給と脱炭素の両立を経済合理的に進めるには、様々な技術の開発・普及が不可欠。一方、技術動向は不確実性が高く、シナリオを単一に絞ることは困難。そこで第7次エネ基案では、「再生可能エネルギー(再エネ)」、「水素等」、「CCS(二酸化炭素回収・貯留)」を革新技術と位置づけ、開発進捗や導入規模など前提の異なる5つのシナリオを設定。

複数シナリオの設定は、技術動向の不確実性に対応した現実的手法として有効。しかし、第7次エネ基案では、「使える技術は全て活用するとの方針の下、あらゆる選択肢を追求していく必要がある」としていることから「革新技術拡大シナリオ」をベースに据えているものと推定されるが、複数シナリオの具体的な活用方法は示されず。

今後の計画実行段階において、わが国政府は、革新技術の開発・実装の進捗を定期的にモニタリングして機動的に政策運営を見直す枠組みを整備すべき。具体的には、技術開発には複数ステップを、社会実装には導入量などを指標として設定し、複数シナリオと対照した現状評価を実施。また、モニタリング結果の公開などを通じて、企業の現状認識・戦略立案への活用も促進。シナリオの有効活用により、エネルギー政策の実効性や官民の予見可能性の向上を目指すべき。

(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
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