リサーチ・アイ No.2024-054
日銀短観(9月調査)予測 ― 製造業の景況感は引き続き改善も、非製造業は小幅悪化 ―
2024年09月13日 内村佳奈子
10月1日公表予定の日銀短観(9月調査)では、景況感は概ね横這いとなる見込み。全規模・全産業の業況判断DIは、6月調査対比▲1%ポイント低下すると予想。業種別にみると、大企業・製造業の業況判断DIは、同+1%ポイントの上昇を予想。自動車生産の回復が進んでいるほか、半導体需要が持ち直していることなどから製造業の景況感は小幅改善する見込み。
一方、大企業・非製造業の業況判断DIは、同▲2%ポイントの低下を予想。インバウンド需要の回復が下支えとなりDIは高水準を維持するものの、人手不足が深刻化していることに加え、8月に発生した地震をはじめとする自然災害が、対個人サービスや宿泊・飲食サービスなどの景況感を下押しする見通し。
先行き(12月調査)は、全規模・全産業で9月調査から▲1%ポイントの悪化を予想。製造業では、循環的な財需要の回復が追い風となる一方、中国向け輸出の減少や、円高進行などによる輸出企業の収益悪化への懸念が景況感改善の重石となる見込み。非製造業の景況感は高水準で推移するものの、人件費の増加や金利上昇への警戒感などが企業マインドの抑制に作用する見込み。
2024年度の設備投資額(土地投資を含み、ソフトウェア投資を除く)は、全規模・全産業ベースで前年度比+9.7%、前回調査からの修正率は+1.2%と、例年の足取りと同様に上方修正される見通し。脱炭素や、DX関連、人手不足対応などに向けた省力化への投資ニーズが引き続き旺盛であり、高水準の企業収益を支えに、企業の設備投資は増加基調が続く見通し。
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