M&A の多様化やエンゲージメントの重要性の高まりといったわが国の資本市場の変化や今般の規制見直しを踏まえ、今後、以下の3点が重要に。 ① 積み残しとなったTOB 規制改革に関する継続的な検討 今回の検討にあたっては、非友好的なTOB 時の少数株主の利益保護等の観点から、部分買付TOB の禁止といった抜本的な規制改革を求める意見があった一方、一律的な規制が機動的なM&A を阻害するとの懸念から積み残しに。今後、抜本的な規制改正により想定される影響等について、市場参加者と検討を重ねていく必要。
② パッシブ運用の広がりに対応した協働エンゲージメントの促進 パッシブ運用では、コスト抑制が求められる一方、投資先企業が広範に及ぶため、他社との協力(協働エンゲージメント)を通じた効率的な運営が重要に。規制改正を通じて、協働エンゲージメントが活性化されるかを含め、効率的、効果的なエンゲージメントのあり方について、継続的な検討が必要。
③ PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)の充実 経産省が策定した「企業買収における行動指針」のなかで、非友好的なTOB について、企業価値向上の観点から検討が必要との見解が示されるなど、わが国において、非友好的、競合的なTOB が増加するとみられるなか、経営統合プロセス(PMI)が一層重要に。金融機関等に対するPMI 関連の対応方針策定等も検討材料に。