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JRIレビュー Vol.4,No.115

シニア層の農業継続による農村地域振興の可能性

2024年03月25日 多田理紗子


近年、農業人口が急激に減少している。農業者は農産物を生産するだけでなく、農道や農業用排水路といった農業インフラ、農地などの維持管理を通じて、農村と地域の農業を維持する役割を果たしている。農業人口の減少が続けば、農業生産の基盤となる農業インフラや農村地域を維持・管理する人手が不足し、農業生産の基盤を揺るがしかねない。

農業人口が減少している最大の要因は、シニア層の離農である。各年代の流入・流出数を見ると、若い世代では新規就農などによる流入があり農業人口が増加傾向にあるが、70歳を超えると流出が多くなり、それに伴って農業人口全体が減少する。農業人口減少対策として、国や自治体による新規就農者支援が行われているが、減少が緩やかになるほどの成果はまだ出ていない。農業人口を一定数維持するためには、就農者を増やすだけでなく高齢化に伴う離農者を減らす、すなわちシニア層の農業継続を支援することが有効であると考える。

シニア層の農業継続は、農業人口の維持のみならず、地域の活力向上にも繋がる。農業は身体的・精神的な健康維持に貢献すると言われており、農業継続によって元気に活躍できるシニア層が増えれば、将来的には地域の医療費・介護費の削減が期待できる。何より、人口減少社会のなかで、一人ひとりがいきいきと活躍する地域は、豊かで魅力ある地域になると考えられる。

これまでに当社が行った調査から、歳を重ねた農業者は、身体機能の低下をはじめとする不安を抱えながら農業に向き合っていることが明らかになっている。一方で、不安と上手く付き合いながら、前向きに農業を続けているシニア層農業者も多い。地域にシニア層の農業継続を支援する機能を持った組織を作ることで、シニア層の不安を軽減しながら、農業継続を支えることができると考える。

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