リサーチ・アイ No.2023-062
西側諸国の半導体産業の拠点開設が進むアジア新興国― 先行するマレーシア、それを追いかけるインド、ベトナム ―
2023年11月28日 熊澤知喜
アジアでは、半導体サプライチェーンの再編が進行。マレーシアではペナン島で後工程(組み立てなど)を中心に半導体関連産業が集積しており、近年の米中対立やコロナ禍を背景とした供給問題が同産業の拡大を後押し。2021年に海外からの直接投資が急増し、半導体の輸出が大幅に増加。
今年に入ってからも、アジア新興国では海外の半導体メーカーが製造工場の投資計画を相次いで発表。マレーシア以外でも、ベトナム、インド、フィリピンで海外からの企業誘致策が進展。マレーシアへの海外直接投資は足元で増勢が一服。
インドやベトナムへの生産拠点開設の動きは、人件費などのコストが安いことが背景。インドやベトナムの人件費はマレーシアの約6~7割と低位。さらに、インドとベトナムは米国と包括的パートナーシップだけでなく、半導体サプライチェーン強靭化に関する覚書を締結するなど、半導体分野での協力関係が深化。マレーシアと同様、前工程よりも技術水準が低い後工程を中心に、アジア新興国での半導体投資が拡大する公算大。
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