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リサーチ・アイ No.2023-047

わが国に求められるエネルギー補助金の「出口戦略」

2023年10月04日 栂野裕貴


わが国政府は、燃料価格高騰への激変緩和措置として22年1月以降燃料油(ガソリン・軽油等)などに補助金導入。本年9月、燃料価格の高止まりを受けて本年末まで延長。補助金は家計・企業の負担を軽減した一方、燃料消費が抑制されず価格高止まりの一因との指摘も。また、燃料消費量は地域・所得差が大きく公平性にも問題。加えて、予算は9兆円超に達しており、持続可能とはいいがたく、あくまで激変緩和措置として早急に出口戦略を検討する必要。

出口戦略では、補助金削減に伴う経済への悪影響を軽減するため、省エネ等による家計・企業の燃料価格高騰への耐久力強化が重要。具体的には、ドイツを参考に、使用量を把握しやすい電気代に補助金を一本化し、補助対象を前年同月実績の8割に制限することで、省エネのインセンティブ付与。併せて、省エネ家電や再生可能エネルギーの導入支援策も強化。なお、電気代への一本化は公平性の観点でもプラス。

加えて、燃料価格高騰にとくに脆弱な運輸部門等の中小企業や低所得世帯などに対して、的を絞った補助金制度を別途導入することも一案。

マーケット環境をみれば、当面、原油価格の大幅な下落や急激な円高は期待薄であることから、上記施策で経済への悪影響を軽減しつつ、段階的に補助金依存からの脱却を図るべき。過去の石油危機において、わが国はエネルギー効率を飛躍的に高めて危機を克服。今次局面でも、出口戦略を通じてエネルギー構造改革を実現できれば、わが国の脱炭素の推進や産業競争力の強化にもつながる見通し。


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