リサーチ・フォーカス No.2023-027 下院総選挙後のインドの経済政策の方向性 2023年10月03日 熊谷章太郎インドでは 2024 年前半に下院総選挙が予定されている。現時点の政権交代の有無の可能性や経済政策への影響は以下の通りである。政治のメインシナリオ(現政権が継続):これまでの堅調な景気や野党の有力対抗馬の不在などを背景に、インド人民党を中心とする現与党連合が過半数の議席を維持し、モディ政権が3期目に突入すると見込まれる。政治のサブシナリオ(政権交代):国民会議派を中心とする野党連合への政権交代が起こる可能性がある。インフレ再燃を受けて総選挙前に景気が減速傾向を強める場合はそれをきっかけに少数派に対する抑圧的な政策や民主主義の後退などモディ政権の負の側面への不満が高まり、政権交代が生じやすくなる。政権交代の有無が経済政策に与える影響:インド人民党は企業寄りの政策を重視する一方、国民会議派は家計寄りの政策を重視する傾向が見られる。そのため、現政権が継続する場合、政府は経済インフラの整備や企業支援に重点的に予算を配分すると予想される。一方、政権交代が起こる場合、政府は貧困削減や格差是正に向けて、低所得者支援策を拡充すると予想される。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)