リサーチ・アイ No.2023-033
日本経済予測:23年度+2.5%、24年度+1.2% ―景気は緩やかに回復、長期金利上昇による景気への悪影響は限定的 ―
2023年08月15日 北辻宗幹
4~6月期の実質GDPは、前期比年率+6.0%(前期比+1.5%)と3四半期連続のプラス成長。物価高などを背景に個人消費は弱い動きとなった一方、外需が成長率を大幅に押し上げ。供給制約の緩和を受け自動車などの財輸出が大きく増加したほか、インバウンド需要も回復。
先行きを展望すると、当面はリバウンド需要がけん引する形で、景気は緩やかな回復が続く見通し。個人消費は、飲食などのサービスを中心に増加に転じる見通し。コロナ禍で蓄積された過剰貯蓄や賃上げの広がりが個人消費の支えになると予想。設備投資もペントアップ需要を中心に堅調に推移する見込み。さらに、インバウンド需要も回復が続く見通し。中国政府が日本への団体旅行を解禁したため、これまで低迷が続いていた中国からの訪日客も回復へ向かう見通し。
日銀による長短金利操作(YCC)の修正などにより、2024年度にかけて長期金利は+1%程度まで緩やかに上昇すると見込まれるものの、これによる景気への悪影響は限定的となる見通し。借入コストの上昇を通じ住宅投資を押し下げるものの、借入依存度の低下などにより、設備投資への下押し影響は過去に比べ低下。
2023年度の実質GDP成長率は+2.5%、2024年度は+1.2%と、ゼロ%台半ばの潜在成長率を上回る伸びが続く見通し。
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