リサーチ・アイ No.2023-022
日銀短観(6月調査)予測 ― 資源高の一服や自動車生産の回復から景況感は小幅改善 ―
2023年06月21日 内村 佳奈子
7月3日公表予定の日銀短観(6月調査)では、全規模・全産業の業況判断DIが3月調査対比+2%ポイント上昇する見込み。大企業・製造業の業況判断DIは、同+2%ポイントの改善を予想。供給制約の緩和に伴う自動車生産の増加や、資源高一服によるコスト減少が景況感の改善に寄与。
大企業・非製造業の業況判断DIは、同+2%ポイント上昇する見込み。新型コロナの5類移行により外出機会が増加しているほか、インバウンド需要の回復が持続していることから、宿泊・飲食サービスや対個人サービスを中心にDIが上昇する見通し。
先行き(9月調査)は、全規模・全産業で6月調査から+1%ポイントの小幅な上昇を予想。製造業では、海外景気の減速による需要の鈍化が景況感を下押しする一方、自動車生産の増加が景況感を下支えする見通し。非製造業では、引き続き訪日外国人の増加が見込まれるほか、国内の行楽需要も強く、対面型サービスを中心に景況感は良好となる見通し。
2022年度の設備投資額(土地投資を含み、ソフトウェア投資を除く)は、全規模・全産業ベースで前年度比+7.2%での着地を予想。コロナ禍で先送りされていた投資を再開する動きや、人手不足を背景とした省力化などへの投資需要から高めの伸びで着地する見込み。
2023年度の設備投資計画は、全規模・全産業ベースで前年度比+10.6%と、前回調査対比+2.4%ポイントの上方修正を予想。人手不足に対応するための省人化投資や脱炭素化に向けた投資がけん引役となり、設備投資需要は引き続き堅調に推移する見通し。
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