リサーチ・アイ No.2023-018
日本経済予測:23年度+1.4%、24年度+1.3% ―コロナ禍からのリバウンドが一巡した後も、賃上げが内需を押し上げ ―
2023年06月08日 北辻宗幹
1~3月期の2次QEでは、実質GDP成長率が前期比年率+2.7%(前期比+0.7%)と、1次QE(同+1.6%、同+0.4%)から上方修正。需要項目別では、設備投資と在庫投資が上方修正。経済活動の正常化が進んだことで、内需を中心に景気の回復が明確化。
先行きを展望すると、当面はコロナ禍からのリバウンド需要がけん引する形で、わが国の景気は回復する見通し。個人消費は、飲食・宿泊などのサービスを中心に増加する見込み。物価高が家計の購買力を下押ししているものの、コロナ禍で積み上がった過剰貯蓄が消費の原資となるほか、実質賃金も年内にはプラスに転じると予想。インバウンド需要も回復が続く見通し。現時点では回復が遅れている中国からの訪日客も、日中の直行便の再開に伴い持ち直す見込み。
リバウンド需要が一巡した後も、内需主導の景気回復が続く見通し。人手不足の深刻化や物価高の長期化を背景に、2024年も高い賃上げ率が実現するとみられ、個人消費は回復基調を維持する見込み。省力化・デジタル化を目的とするソフトウェア投資を中心に、設備投資は増加する見込み。
2023年度の実質GDP成長率は+1.4%、2024年度は+1.3%と、ゼロ%台前半の潜在成長率を上回る伸びが続く見通し。
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