もっとも、こうした製造業がけん引する成長モデルについては、以下のような課題を指摘できる。 ① 各種成長戦略の成果というよりは、輸出環境の改善という追い風に上手く乗れた面が大きく、環境次第では再び成長が停滞する懸念があること。 ② 供給面についても、設備投資や生産性の向上よりも、労働投入を増やすことで需要増に対応してきたこと。
2010 年代以降の堅調な成長に慢心することなく、関西経済の成長を持続的に高めていくためには、以下のような取り組みや観点が重要となる。 ① 労働力人口の減少が不可避の状況下、デジタル投資などを通じた生産性の向上。 ② 脱炭素技術やライフサイエンス産業など、関西が強みを有する分野でのイノベーションの創出や次世代技術の育成。