リサーチ・アイ No.2022-083
2022年10~12月期法人企業統計の評価と2次QE予測
2023年03月02日 白石尚之
2022年10~12月期の法人企業統計季報によると、全産業ベースの売上高は前期比+2.4%と5四半期連続の増収。製造業は、供給制約の緩和を受けて輸送機械を中心に増収。非製造業も、全国旅行支援の実施が追い風となり、対面型サービスを中心に増収。
全産業ベースの経常利益は同▲1.4%と、2四半期連続の減益。円安や資源高による仕入れコスト上昇を背景に、製造業は同▲23.7%と大幅減益。一方、非製造業は、同+16.5%の増益。2023年1~3月期は、サービス消費のリバウンド需要やインバウンド需要が増加することで、非製造業の収益改善が続くと予想。ただし、仕入れコストの高止まりや電気代などの販管費の増加が、企業収益を下押し。
設備投資(ソフトウェア投資を除く)は、全産業ベースで前期比+0.3%と、5四半期連続の増加。生産用機械における能力増強投資を中心に製造業は増加。非製造業では大きく増加した前期の水準を概ね維持。人手不足感の強まりなどを背景に、省力化投資やデジタル投資に対する投資意欲は引き続き旺盛。
今般の法人企業統計などを織り込んで改定される2022年10~12月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資と公共投資が上方改定される見込み。その結果、実質GDP成長率は前期比年率+0.9%(前期比+0.2%)と、1次QE(前期比年率+0.6%、前期比+0.2%)から小幅に上方改定される見込み。
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