リサーチ・アイ No.2022-076
2022年10~12月期GDP予測 ― 前期比年率+2.7%と2四半期ぶりのプラス成長 ―
2023年01月31日 白石尚之
10~12月期の実質GDPは前期比年率+2.7%(前期比+0.7%)と、2四半期ぶりのプラス成長を予想。11月以降の新型コロナ感染拡大を背景に個人消費は小幅な伸びにとどまったものの、インバウンド需要の急回復を受けたサービス輸出の増加が成長率を押し上げ。
①個人消費(前期比年率+1.2%、前期比+0.3%)
3四半期連続の増加。全国旅行支援の実施が、外食や宿泊、娯楽などのサービス消費の回復を下支え。もっとも、昨年末にかけて新型コロナの感染が拡大した影響を受けて、人出が一時的に減少。10~12月期を通してみれば小幅な伸びに。
②設備投資(前期比年率+2.8%、前期比+0.7%)
3四半期連続の増加。工場新設などの建設投資が堅調に推移したほか、人手不足の深刻化を背景に、省力化を目的とするデジタル投資が活発化。もっとも、機械投資は伸び悩んだことから、プラス幅は縮小。
③公共投資(前期比年率+2.4%、前期比+0.6%)
3四半期連続の増加。国土強靭化に係る予算執行や公共事業の前倒し施行を背景に増加基調を維持。
④外需(前期比年率寄与度+1.6%ポイント、前期比寄与度+0.4%ポイント)
輸出は前期比年率+8.8%と5四半期連続の増加。財輸出は感染拡大を背景に中国向けが減少したほか、米国向けも低迷。一方、インバウンド需要の急回復により、サービス輸出が大幅に増加。輸入は同+0.7%の増加にとどまった結果、外需は2四半期ぶりのプラス寄与に。
1~3月期もプラス成長が続く見通し。新型コロナ感染者数の減少を背景に、人流の回復や全国旅行支援の継続に支えられ、サービスを中心に個人消費が増加する見込み。また、インバウンド需要の回復が続くことで、サービス輸出も底堅く推移する見込み。
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