リサーチ・アイ No.2022-059
日銀短観(12月調査)予測 ―全産業の景況感は改善も、産業間でばらつき―
2022年12月07日 内村佳奈子
12月14日公表予定の日銀短観(12月調査)では、全規模・全産業で業況判断DIが小幅改善すると予想。ただし、産業間でばらつきがあり、製造業の景況感は悪化する一方、非製造業は改善する見込み。大企業・製造業の業況判断DIは、前回調査対比▲2%ポイントの低下を予想。原材料高や円安に伴うコスト増加のほか、中国の行動制限も景況感を下押し。業種別にみると、石油・石炭製品や紙・パルプなどの素材業種のDIが低下するほか、半導体不足の影響が残る自動車なども弱い動きとなる見通し。
一方、大企業・非製造業の業況判断DIは、同+3%ポイントの改善を予想。全国旅行支援の開始や水際対策の大幅な緩和を背景に、国内外の観光客が増加しており、宿泊・飲食サービスなどの個人向けサービス業を中心にDIの改善が進む見通し。
先行き(2023年3月調査)は、全規模・全産業で12月調査対比▲1%ポイントの小幅な悪化を予想。製造業では、既往の資源高や円安によるコスト増、海外経済の減速による需要の減少などを背景に収益悪化の懸念が重石に。非製造業では、外食や旅行などのリバウンド需要や外国人観光客の増加を背景に、サービス業を中心に景況感は改善する見通し。
2022年度の設備投資額(土地投資を含み、ソフトウェア投資を除く)は、全規模・全産業ベースで前年度比+15.3%と前回調査に続き高い伸びを維持する見通し。コロナ禍で先送りされた投資計画の本格的な再開に加えて、脱炭素関連やデジタル化投資などへの投資が拡大する見込み。
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