リサーチ・アイ No.2022-054
7~9月期GDP予測 ― 前期比年率+1.6%と4四半期連続のプラス成長 ―
2022年11月01日 白石尚之
7~9月期の実質GDPは前期比年率+1.6%(前期比+0.4%)と、4四半期連続のプラス成長を予想。夏場の新型コロナ感染拡大を背景に個人消費は小幅な伸びにとどまったものの、設備投資や公共投資が高い伸びに。
①個人消費(前期比年率+0.6%、前期比+0.2%)
4四半期連続の増加。夏休みシーズンは外食や宿泊、娯楽などのサービス消費が好調。ただし、7~9月期を通してみれば新型コロナの感染拡大に対する警戒感から人流の回復が限定的にとどまり、小幅な伸び。
②設備投資(前期比年率+6.1%、前期比+1.5%)
2四半期連続の増加。高水準の企業収益を背景に、コロナ禍で先送りされてきた更新・能力増強投資が増加したほか、省力化などに向けたデジタル投資、脱炭素に向けた環境投資が活発化。
③公共投資(前期比年率+4.0%、前期比+1.0%)
2四半期連続の増加。国土強靭化に係る予算執行や公共事業の前倒し施行を受けて回復が本格化。
④外需(前期比年率寄与度▲0.3%ポイント、前期比寄与度▲0.1%ポイント)
輸出は、前期比年率+8.7%と9四半期連続の増加。中国ロックダウンの影響低減で同国向けの財輸出が持ち直したほか、サービス輸出も緩やかに増加。輸入は同+9.2%の増加。この結果、外需は2四半期ぶりのマイナス寄与に。
10~12月期もプラス成長が続く見通し。新型コロナ感染者数の減少や全国旅行支援の実施などを背景に、個人消費の増勢が高まる見込み。工場新設や機械投資が堅調に推移することで、設備投資も増勢を維持する見込み。
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