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2022年09月28日

各位

株式会社日本総合研究所
エヌ・アンド・エー株式会社


「VRデータで見る展覧会」の鑑賞者調査結果について

~新たな鑑賞方法の提供による収益源の多角化やマーケティングの可能性を検証~



 株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)とエヌ・アンド・エー株式会社(本社: 東京都目黒区、代表取締役: 南條史生、以下「N&A」)は、展覧会のVRデータについて、鑑賞者にとっての価値と美術館サービスへの適用可能性を明らかにすることを目的として、美術館DX実証事業「VRミュージアム」(以下「本実証」)を弘前市れんが倉庫美術館(青森県弘前市)で実施しました。本実証は、デジタル技術の活用によって文化芸術や美術館の新たな価値創出を目的に日本総研とN&Aが締結した協定(注1)に基づく具体的な取り組みの一つとして行われたものです。
 本実証では、弘前市れんが倉庫美術館および十和田市現代美術館(青森県十和田市)で過去に開催された企画展および常設展をVRデータ化し、それらを鑑賞した参加者を対象に実施したアンケートへの回答を分析しました。その結果を、『美術館DX実証事業「VRミュージアム」の成果報告 ~展覧会VRデータが持つ価値とその活用による美術館サービスの多角化可能性~』として取りまとめましたので公表します。

■実施概要
 目的:    展覧会のVRデータが持つ価値の明確化
        美術館が提供するサービスの多角化可能性の検証
 期間:    2022年5月18日~6月13日
 調査方法:  弘前れんが倉庫美術館の来館者のうち、希望者にVRゴーグルを用いたVRデータ
        鑑賞体験を提供し、対面でのアンケートを実施
 鑑賞内容:  弘前市れんが倉庫美術館および十和田市現代美術館で2020~2021年度に行わ
        れた企画展あるいは常設展をVRデータ化したもの。弘前市れんが倉庫美術館の
        VRデータは3種類、十和田市現代美術館のものは1種類が用意され、その中から
        参加者が任意で選択する。
 参加者数:  656名
 有効回答数: 336名(有効回答率51.2%)

■本実証の結果要旨
 本実証では、VRデータを通じた展覧会鑑賞についての参加者からの評価を明らかにしました。また、美術館が提供するサービスの多角化可能性を検証するために、自宅などでVRデータを鑑賞できるとした場合の利用使途などについても調査し分析を行っています。

①「会期終了後」「遠隔地」の展覧会鑑賞や実施設では難しい鑑賞方法が人気
 VRデータを通じた展覧会鑑賞についての評価としては、会期が終了した展覧会を鑑賞できたことが最も高く評価されました(56.5%)。本実証の会場となった弘前市れんが倉庫美術館から車で2時間ほどの距離にある十和田市現代美術館の展覧会を鑑賞できたことも評価されています(29.8%)。また、高さが4メートル近い立体作品を至近距離から見上げて鑑賞するといった、実施設ではできない、VRデータならではの鑑賞方法(36.0%)や他の鑑賞者を気にしないで鑑賞できること(19.9%)を評価する参加者も多くいました。


②自宅で鑑賞できる場合、繰り返し鑑賞や親しい人との鑑賞などに高い期待
 展覧会のVRデータを自宅などで鑑賞できるようになった場合の利用方法について尋ねたところ、繰り返し鑑賞(42.0%)のほか、家族や友人などと共有(44.9%)への期待が高いことが分かりました。


③実施設への往訪意欲に前向きな影響
 自由回答などでは、「実際の作品を見てみたい」「VRデータもリアルも両方見たい」といった回答のほか、建築物としての評価も高い十和田市現代美術館に対して「実際に建築を見てみたい」という回答が多く寄せられました。一方で、「VR体験で十分だった」「現地に行かなくても鑑賞できてよかった」といった回答は少数にとどまりました。

■総括
 本実証では、会期が終了していたり、遠隔地であったりして鑑賞することができない展覧会を楽しむことのほか、自宅での繰り返し鑑賞や親しい人たちとの鑑賞体験のシェアといった、実際の展覧会鑑賞ではできない、VRデータならではの新たな鑑賞体験に、参加者が価値を感じていることが明らかになりました。
」  また、VRデータで展覧会を鑑賞できるようになると、実施設を訪れる人が減ってしまうというよりは、むしろ実施設への往訪意欲を高める可能性があることも確認されました。
 これらの結果から、美術館の収益力向上を目的とした、展覧会VRデータの価値を活用したサービスの多角化を検討することが可能です。例えば、VRデータを付録としたブックレットの販売によって来場者単価を向上させたり、VRデータそのものをオンラインで有償提供したりするといった施策を行うことなどが考えられます。また、複数の美術館が連携し、来館者に対して他の美術館のVRデータを鑑賞してもらうことで周遊性を高める、といったマーケティング施策への展開も期待できます。

 本実証の詳細は、別紙(『美術館DX実証事業「VRミュージアム」の成果報告 ~展覧会VRデータが持つ価値とその活用による美術館サービスの多角化可能性~』)をご参照ください。

(注1)日本総研とN&Aは、デジタル技術の活用による文化芸術や美術館の新たな価値創出に連携して取り組むため、2022年3月4日付で「株式会社日本総合研究所およびエヌ・アンド・エー株式会社との文化芸術分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に関する協定書」を締結しました。
日本総合研究所とエヌ・アンド・エーとの「文化芸術分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進」における連携協定の締結について(ニュースリリース/2022年3月30日)
https://www.jri.co.jp/company/release/2022/0330/


■本件に関するお問い合わせ先
【報道関係者様】 広報部               山口  電話: 080-7154-5017
【一般のお客様】 リサーチ・コンサルティング部門   山崎  電話: 080-2481-6994


 
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