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リサーチ・アイ No.2022-032

電力不足が今後の生産下振れリスクに ― 火力発電設備の休廃止増加が背景 ―

2022年08月04日 北辻宗幹


わが国では電力不足に陥るリスクが増大。電力需要に対する供給余力を示す広域予備率(東京圏)は、3月と6月にゼロ%前後に低下するなど、電力需給がひっ迫。今後もひっ迫した状況の持続が予想されており、今冬の気温がこの10年間で最も低下した場合、多くの地域で予備率は安定供給の目安とされる3%を下回る見通し。

この背景として、原子力発電所の稼働停止に加え、火力発電の供給能力低下を指摘可能。2016年に実施された電力の小売自由化を契機に多くの新規事業者が参入するなか、電力会社の採算が悪化。収益性の低い余剰設備を稼働・保有し続けることが困難になり、電力会社は老朽化した火力発電設備を休廃止。

こうした状況を受けて、政府は省エネ・節電を要請(数値目標なし)。仮に、需給ひっ迫が深刻化し、電力の使用制限が発動される場合、景気が下振れる可能性。産業連関表を基に試算すると、企業向けの電力供給が1%減少すると、国内生産額は年間▲9,616億円減少。電力業や製造業だけでなく、サービス業の減産額も▲1,000億円を超えるなどマイナス影響は広範囲に。

政府は、今冬に向けて、火力・原子力発電所の再稼働などにより供給能力を増やす方針。もっとも、長い目で見ると、採算悪化による火力発電の休廃止は今後も増加する可能性があるほか、脱炭素の潮流のなかで、新しい火力発電所の建設が難しい面も。再生可能エネルギーの普及なども含め、中長期的な電力供給のあり方についての議論を本格化させることが必要。


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