リサーチ・アイ No.2022-029
4~6月期GDP予測 ―前期比年率+3.6%と2四半期ぶりのプラス成長―
2022年07月29日 白石尚之
4~6月期の実質GDPは前期比年率+3.6%(前期比+0.9%)と、2四半期ぶりのプラス成長を予想。行動制限の緩和を背景に個人消費が増加したほか、設備投資や公共投資も増加。実質GDP水準は新型コロナ流行前のピーク(2019年7~9月期)の97.5%まで回復。
①個人消費(前期比年率+5.2%、前期比+1.3%)3四半期連続の増加。行動制限の緩和を背景に人流が回復したことで、外食や宿泊、娯楽などの対面型サービス消費を中心に増加。
②設備投資(前期比年率+4.1%、前期比+1.0%)2四半期ぶりの増加。高水準の企業収益を背景に、製造業を中心に回復。人手不足対応に向けたデジタル投資や脱炭素に向けた環境投資が引き続き下支えに。
③公共投資(前期比年率+8.1%、前期比+2.0%)6四半期ぶりの増加。国土強靭化に係る昨年度補正予算の執行が本格化。
④外需(前期比年率寄与度+0.4%ポイント、前期比寄与度+0.1%ポイント)輸出は、前期比年率+3.1%と3四半期連続の増加。海外経済の減速や中国ロックダウンの影響を受けて、財輸出の増加ペースは鈍化した一方、サービス輸出は持ち直し。輸入は同+1.0%の増加。この結果、外需は2四半期ぶりのプラス寄与に。
7~9月期を展望すると、プラス成長が続く見通し。足元で感染者数が再び増加に転じているものの、人出の落ち込みは限定的であり、個人消費は緩やかに回復する見込み。企業収益が高水準で推移するほか、供給制約の緩和により生産が回復する製造業を中心に設備投資も増勢を維持する見込み。
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