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リサーチ・アイ No.2022-018

2022~2023年度改訂見通し ―当面は高めの成長が実現も、景気下振れリスク大―

2022年06月08日 村瀬拓人


1~3月期の2次QEは、実質GDP成長率が前期比年率▲0.5%(前期比▲0.1%)と、1次QE(同▲1.0%、同▲0.2%)から上方修正。需要項目別にみると、設備投資が下方修正される一方、個人消費や在庫投資が上方修正。GDP全体でみれば修正幅は小さく、オミクロン株の流行を受け景気回復に一服感がみられたという見方に変更なし。

先行きを展望すると、新型コロナの感染が落ち着いた状況が続くという想定のもと、サービス消費の回復にけん引される形で、景気の持ち直しが明確化する見込み。円安・資源価格の上昇に伴うエネルギーや食料品の価格上昇が、家計の購買力を下押しするものの、多くの家計はコロナ禍の活動自粛で貯蓄が大幅に増加しており、物価上昇への耐久力は上昇。このため、経済活動の正常化が進めば、個人消費は回復基調が続くと予想。

政府は、インバウンド需要の回復に向けて水際対策を段階的に緩和。当面は入国者数に上限が設けられるため急速な回復は見込めないものの、受け入れ態勢の整備などが進めば、秋から年末年始にかけて明確に増加する見込み。国内のサービス消費やインバウンド需要が回復すれば、非製造業で設備投資を再開する動きが広がる見通し。

一方、製造業では、資源価格の高騰に伴うコスト増に加え、中国のゼロコロナ政策による現地需要の下振れと、サプライチェーンの停滞が重石に。上海市のロックダウンは解除されたものの、他の地域も含め生産・物流の停滞が長期化すれば、生産・輸出の回復時期は後ずれ。

2022年度の成長率は+2.6%と、コロナ禍からの経済活動の回復を背景に高めのプラス成長が実現する見通し。一方、2023年度は+1.4%と、経済活動の正常化につれて増勢が鈍化するものの、潜在成長率を上回る成長ペースが続く見込み。ただし、新型コロナの感染状況や資源価格の動向、中国のゼロコロナ政策などを巡る先行き不透明感が強く、景気が下振れするリスクに注意が必要。


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