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2022年03月14日

各位

株式会社日本総合研究所
日本デジタルヘルス・アライアンス


「日本デジタルヘルス・アライアンス」設立について

~デジタルヘルス関連の技術・法制度の研究と政策提言を行う業界横断的組織~



 株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、デジタルヘルス(注1)に関するサービス・技術の開発などを推進することで、国民の健康増進と産業発展に貢献することを目的に、「日本デジタルヘルス・アライアンス(略称: JaDHA)」(以下「本研究会」)を2022年3月に設立します。
 本研究会は、製薬デジタルヘルス研究会(以下「SDK」/注2)および日本デジタルセラピューティクス推進研究会(以下「DTx推進研究会」/注3)の統合によって設立された、業界横断的研究組織です。本研究会の初代会長には、SDK設立発起人であり、SDKおよびDTx推進研究会の中心的役割を担ってきた小林義広(田辺三菱製薬株式会社 取締役 常務執行役員)が就任します。
 本研究会では、SDKとDTx推進研究会が精力的に進めてきたデジタルヘルスサービス・技術の普及・促進に向けた研究および政策提言・情報発信活動を承継し、一層の発展を目指します。

■背景
 新型コロナウイルス感染症による公衆衛生危機は、オンライン診療や診察時間外でも患者個別に最適化された助言を受けられる治療用アプリの活用といった、社会における医療のデジタル化の重要性が一層強く認識される契機となりました。
 既に、このような状況で活用されるプログラム医療機器(患者側のスマートフォンやタブレットおよび医療提供者側の各種機材にインストールされるプログラム単体、あるいはプログラムを記録した記録媒体)の開発に向けた取り組みが、厚生労働省をはじめ官民挙げて強力に推進されるようになっています(注4)。
 一方、プログラム医療機器を開発するには、従来の医療機器製品の視点に加え、患者の日常的な状態を把握し、取得・分析して個々に還元するデータ利活用など「デジタルの特性や機能」も含めて検討する必要があります。つまり、社会における医療のデジタル化には、このような「デジタルならではの価値」を臨床的意義や医療経済性も含めて適正に評価し、さらに技術進展に対する柔軟性のある制度・規制を整備することが求められます。

■活動内容
 本研究会は、ICT企業やベンチャー企業などが持つ先進的なデジタル活用に関する知見と医薬品・医療機器メーカーが蓄積してきた膨大なノウハウを融合し、医療における「デジタルならではの価値」を追求します。また、デジタルヘルスに関する現行制度・規制上の課題を分析し、課題克服に向けた研究と政策提言も行う予定です。
 さらに、有識者をはじめ関係省庁、関係団体(学会、患者団体など)、国内外の企業などとの情報交換や連携を進めることで、社会における医療のデジタル化という新たな価値を、より迅速に生活者、患者や家族、医療現場へ届けるための貢献をしていきます。

 本研究会では、テーマごとにワーキンググループ(以下「WG」)を設置し、研究の実施、政策提言や情報発信活動などの方策を議論するなど、それぞれ具体的な活動を推進します。
 本研究会の設立時点では、下記WGを設置します。
◆デジタル治療に適した臨床評価基準・承認要件の新区分 検討WG
デジタル治療の特性や臨床的意義を適切に評価するための臨床評価基準と承認要件を具体化します。デジタル技術の発展に対応できるよう、適切な治験デザインや短期間で合理的な薬事承認プロセスを実現するための課題を詳細に検討し、デジタル治療アプリ開発が促される制度の実装を目指します。
◆デジタル治療に特化した診療報酬の体系 検討WG
従来の医療機器や医薬品とは区分けしつつデジタル治療に適した診療報酬制度における評価体系を詳細に検討します。デジタル治療による新たな価値を適正に評価できる診療報酬体系の構築や、上市後の継続的な製品改良や価値の測定結果に基づく価格改定の仕組みの実装を目指します。

 また、今後、WGの設立を目指すテーマは、以下の通りです。
◇デジタル治療の実証価値に応じた保険点数見直し制度
リアルワールドデータ(以下「RWD」)(注5)の継続的な取得というデジタルの特性を活かし、デジタル治療の価値を評価し、実臨床における臨床的意義や医療経済性を元に保険点数を再算定する制度を検討します。
◇デジタルヘルスアプリ(非医療機器)の認証制度新設
未病段階からセルフケアを推奨するため、効果が実証されたデジタルヘルスアプリへのトクホに類する認証制度を検討します。さらに質の担保された健康データと医療データの連携、非医療機器で得られたデータを活用し薬事承認プロセスを簡略化する方法を検討します。
◇デジタル治療アプリ・サービスの流通基盤の設計と実証
「利用者/ID管理」「プログラムライセンスキー発行・利用管理」「プログラム利用料徴収」など、デジタル治療アプリ・サービスの円滑な利用と普及に向けた基幹機能や役割を提供する「流通基盤」の設計、実証を進めます。
◇社員のエンゲージメントを最大化する健康経営プラットフォーム
社員の主体的なコンディショニング行動を促し、ワークエンゲージメントを最大化する健康経営プラットフォームを開発します。認証制度新設検討を行うWGと連携し、日本総研社員を対象とした実証結果を検証しながら、サービス評価体系の具体化を図ります。

■活動期間
 2022年3月14日~2023年3月31日

■組織名称
 日本デジタルヘルス・アライアンス(英文名称: The Japan Digital Health Alliance: JaDHA)

■会員企業
 SDKおよびDTx推進研究会の各会員企業、大手医薬品・医療機器メーカー、デジタルヘルスベンチャー企業、大手ICT企業、デジタルヘルスに新規事業として取り組む企業など20社以上の参加を予定しています。

■本研究会へのご入会について
 本研究会へのご入会を希望・検討される場合は、下記ページをご覧ください。
 https://www.jri.co.jp/column/opinion/detail/13255/

(注1)デジタルヘルス
 医療・健康全般において、デジタル技術を活用した取り組みです。例えば、運動・食事・睡眠を対象にした健康増進アプリが既に使用されています。また、AIによる画像診断支援プログラム、ニコチン依存症向けアプリ、小児ADHD向け治療用アプリなどもあり、診断・治療・予防緩和や医学的な障害や疾患の予防・管理・治療などで使われます。

(注2)製薬デジタルヘルス研究会(SDK)
 2019年10月、田辺三菱製薬株式会社が呼びかけ、アステラス製薬株式会社、塩野義製薬株式会社、大日本住友製薬株式会社の4社にて設立されました。治療用アプリや健康アプリを開発する4社の共通する課題に基づき、モバイルアプリを対象としたデジタルヘルス製品に焦点を当て、「DTxの早期浸透に向けた提言」「エビデンスレベルに応じた非医療機器アプリの認証制度の新設」に向け、規制や市場の諸課題の検討および政策提言、幅広い情報発信を積極的に展開してきました。

(注3)日本デジタルセラピューティクス推進研究会(DTx推進研究会)
 2019年10月、株式会社デジタルガレージが発起人となり、アイリス株式会社、アステラス製薬株式会社、サスメド株式会社、塩野義製薬株式会社、田辺三菱製薬株式会社、帝人ファーマ株式会社の7社のデジタル治療開発推進企業にて設立されました。日本におけるDTxの早期上市ならびに製品品質および価値の向上、医療機関への普及を通じて、新たな治療の選択肢を提供し、医療の価値向上を目的とした活動を推進してきました。

(注4)厚生労働省では、「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略(DASH for SaMD)」のほか、「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」を公表するなど、プログラム医療機器の早期実用化を後押ししようとしています。また、中央社会保険医療協議会の保険医療材料専門部会では、「プログラム医療機器に係る評価の新設」を厚生労働大臣に答申し、保険適用への道筋を作ろうとしています。
プログラム等の最先端医療機器の審査抜本改革 DASH for SaMD
(厚生労働省医薬・生活衛生局/2020年11月24日)
 https://www.mhlw.go.jp/content/11124500/000737470.pdf
プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン
(厚生労働省医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課 医療機器審査管理課/令和3年3月31 日)
 https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000764274.pdf

(注5) リアルワールドデータ(Real-World Data: RWD)
医療現場での日常診療から恒常的に発生する患者情報を収集し蓄積したデジタルデータや、健常者・患者を含めた社会生活者が日常生活を送る中で生成される健康関連のデジタルデータの総称です。

■本件に関するお問い合わせ先
【報道関係者様】広報部               山口 電話: 080-7154-5017
【一般のお客様】リサーチ・コンサルティング部門   南雲 電話: 080-8411-3567
※入会に関するお問い合わせは UN_6001.group@jri.co.jp 宛て


 
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