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リサーチ・アイ No.2021-067

市況高騰で食料品の値上げラッシュ ―消費者物価0.5%ポイントの押し上げも―

2022年02月16日 小澤智彦


食料品市況が高騰しており、前年比ベースでは2008年以来の高い伸びに。この背景として需要・供給双方の要因が指摘可能。供給面では、世界的な天候不順で多くの食料が不作となったほか、新型コロナによる活動制限の影響で農業従事者が不足し生産が停滞。需要面では、新型コロナ禍からの経済再開により食料需要が増加しているほか、脱炭素に向けた取り組みの一環でバイオ燃料の需要が拡大。その原料としてトウモロコシ、大豆、サトウキビなどへの注目が上昇。例えば今年の米国では、バイオ燃料向けに使われる大豆油が急増し、消費量全体の4割を超える見通し。

わが国企業は、市況高騰によるコスト増をまずは他のコスト削減で吸収しようとする動きが根強く、価格転嫁は1年程度遅れる傾向。足元では、多くの食料品メーカーが、昨年来の市況高騰によるコスト増を企業努力ではカバーできないと判断し、食料品の値上げラッシュに。穀類、肉類、調味料など幅広い品目で値上げの動きが広がっていく公算大。

食料品の値上げは消費者物価を大きく押し上げる見込み。過去の変動パターンを前提とすると、春先から夏場にかけて、食料品は、消費者物価(生鮮食品を除く総合)を+0.5%ポイント押し上げる計算。4~6月期の消費者物価は前年比+1%台後半まで上昇する可能性も。インフレによる購買力の低下が懸念される状況。


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