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国際戦略研究所 研究員レポート

【中国情勢月報】最近の台湾を巡る動き

2022年02月07日 副理事長 高橋邦夫


年明け早々、筆者がびっくりするニュースが飛び込んできた。それは、詳細は以下に述べるが、昨年後半、欧州において中国・台湾の角逐の場となっていたリトアニアのナウセーダ大統領が、リトアニアと中国との関係の一層の悪化につながった昨年11月の「在リトアニア台湾代表処」の開設を認めたことは、「過ちであった」と同国国内メディアとのインタビューで述べたことである。

筆者としては、何をいまさら、との感が無きにしもあらずであるが、いずれにしても今回は、昨年後半以降の台湾を巡る動き、特に目立つ米国及び欧州との関係強化の動き、そしてそれに対する中国の反応を概観し、今後の中台関係の見通しなどについて、考えてみたい。

1.国際社会での「活動空間」を広げようとする台湾

 (1)12月9日、中国と中央アメリカの国・ニカラグアが外交関係を回復すると発表した(注1)。時あたかも、バイデン政権が「民主主義サミット(the Summit for Democracy)」を開催している時であった。その結果、台湾(「中華民国」)が外交関係を有する国は14カ国となった。200カ国近くある世界の国々の多くは中国(中華人民共和国)と外交関係を結んでいる。

民進党の蔡英文総統が就任した2016年以降、中国は外交攻勢を強め、サントメ・プリンシペ(2016年12月)、パナマ(2017年6月)、ドミニカ共和国及びブルキナファソ(共に2018年5月)、エルサルバドル(2018年8月)、ソロモン諸島及びキリバス(共に2019年9月)、そして今回のニカラグア(2021年12月)と8カ国が外交関係を結ぶ相手を台湾から中国に切り替えている。

今後注目される動きは、11月28日に投開票された南米ホンジュラスの大統領選挙で当選した野党のカストロ候補が、選挙戦の中で、自分が選出されたならば、現在の台湾(「中華民国」)から中華人民共和国に外交関係を切り替えることを表明しており、ホンジュラスが本当に台湾と断交し、中国と外交関係を結ぶかどうかである。ただ、1月27日に行われた大統領就任式典には、台湾から頼清徳・副総統が出席し、カストロ次期大統領とも会談している。

(2)台湾が外交関係を有する国に対する「切り崩し」工作に対しては、台湾(「中華民国」)は、もちろん「巻き返し」を図る努力を行い、その結果、一度中国と外交関係を結んだ国が何年か後に再度、台湾と外交関係を結ぶケースも過去には見られる。しかし、筆者の目には、最近の蔡英文政権はそれ以上に国際社会における台湾の「活動空間」を広げる努力を行っているように見える。その最たる例は、中国と外交関係を有しているバルト3国の1つリトアニアに、これまで台湾が諸外国に代表事務所を開設する際に使用していた「台北経済文化代表処」など「台北」という都市名を使用していたケースとは異なり、「台湾代表処」と、初めて「台湾」の名を冠した代表事務所を11月18日に開設したことである。

また、詳細以下の通り、2020年初め以降、中国武漢市に始まり、その後世界各国に感染が拡大している新型コロナウイルス感染問題で、台湾が中国のような強制的手法ではなく、感染の抑え込みに成功した実績を踏まえ、世界保健機関(WHO)総会などへのオブザーバー参加を目指す動きも、台湾にとっては国際社会での「活動空間」を広げる努力の一環と見ることが出来よう。

2.台湾の活動を支える3つの要素

(1)こうした台湾側の「攻勢」とも言える動きを支えているのが、この数年の台湾自体の国際社会における「注目度」の上昇ではないか、と筆者は考えている…

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