2022年07月01日
各位
一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN
株式会社日本総合研究所
U30世代の政治意識調査(速報)の公表について
〜U30世代の視点で「ありたい未来」をつくる「YOUTH THINKTANK」が始動〜
一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN(代表: 能條桃子、以下「NYNJ」)と株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、30歳未満の若い世代(以下「U30世代」)が希望を持てる社会になるために必要な政策等について、世代の壁を越えて共に考え、発信するためのプロジェクト「YOUTH THINKTANK」(以下「YTT」)を共同で立ち上げました。
YTTによる活動の第一弾として2022年6月に実施したU30世代の政治意識調査(以下「本調査」)について、その結果を速報として公表します。
本調査の主な結果(速報)
本調査からは、U30世代の政治意識について、以下のことが明らかになりました。
1. 投票先を選ぶ基準は知名度より政策。働き方・就職、経済政策、税制改正といったトピックが重視される。
・選挙で投票先を選ぶ基準は「自分の考えに近い政策を訴えている候補者・政党」(46.5%)がトップ。続いて「自分と同じような世代のことを特に考えている候補者・政党」(24.4%)、「わかりやすく政策を訴えている候補者・政党」(22.6%)と政策内容に関する基準が続く。「メディアで見て親しみが持てる候補者・政党」(9.8%)、「よく名前を聞く候補者・政党」(8.7%)は10%前後。
・重視するトピックは「働き方・就職(賃金、ワークライフバランスなど)」(29.8%)、「経済政策・成長戦略・景気対策」(26.0%)、「税制改正(個人所得税、資産税、法人税、消費税など)」(22.5%)の順に高い。
2. 投票意向は54.5%。投票しない理由としては関心がないことや面倒が挙げられる。選挙では世の中は変わらないとの無力感から投票しない人も一定数存在。
・第26回参議院議員通常選挙に投票すると回答した人は54.5%(「投票する/期日前投票で投票した」と「おそらく投票する」の合計)。
・投票しない理由は「選挙にあまり関心がないから」(32.6%)がトップ。「投票所に行くのが面倒だから」(27.9%)、「忙しい、時間がないから」(21.2%)が続く。
・「私一人が投票してもしなくても世の中は変わらないと思う」(15.2%)、「選挙によって政治はよくならないと思うから」(12.4%)と、選挙に対して無力感を抱えている人も一定数存在。
3. 6割近くの人が日本社会には課題が多いと感じ、過半数の人が将来に漠然とした不安を抱いている。
・「日本社会には解決するべきたくさんの課題があると思う」人は、58.4%(「非常に当てはまる」と「当てはまる」の合計。以降同様)。
・「自分の将来に漠然とした不安がある」人が55.0%。
4. 政策立案側は若い世代の声を聴くべきだと過半数の人が感じ、半数近くの人が国政に民意が反映されていないと感じている。
・「子供や若者が対象となる政策や制度については子供や若者の意見を聞くようにすべきだと思う」人は52.8%であるが、「国の政策には、国民の考えや意見が反映されていないと思う」人は、46.6%。
5. 半数近くの人が、国や社会を変えてくれると期待できる政治家が日本にはいないと感じている。
・「日本には、国や社会を変えてくれると期待のもてる政治家がいないと思う」人は44.8%。
6. その一方で、積極的な政治参加の意向を持つ人も一定数存在する。
・「将来の国や地域の担い手として積極的に政治や政策決定に参加したいと思う」人は29.2%、「オンライン署名やパブコメ、デモへの参加、陳情などの政治参加に関心がある」人は20.0%
7. 選挙があることは約8割の人が認知しているが、不在者投票の認知は低い。
・U30世代で第26回参議院議員通常選挙の実施を知っているのは77.3%。
・期日前投票の認知率は77.1%であるが、不在者投票の認知率は54.8%。
※上記は速報です。本調査の詳細な分析結果については、第26回参議院議員通常選挙終了後に公表する予定です。また、YTTの第一弾調査として、本調査と併せて実施した「U30世代の現在地調査」について整理した内容については、NYNJのInstagramを通じて公表する予定です。
本調査の概要
調査目的 :U30世代の政治意識、投票行動等の把握
調査方法 :インターネット調査
調査期間 :2022年6月22日(第26回参議院議員通常選挙公示日)~6月26日
調査対象 :日本国籍を持つ日本在住の18~29歳男女5,000人
総務省統計局「人口推計(2021年10月1日現在)」の日本人人口構成比に合わせて、
性別、年代別、選挙区分(1人区/複数区)を加味のうえ割り付けた。
ただし18~19歳は、15~19歳人口を按分して算出した人口を用いた。
主な調査項目:第26回参議院議員通常選挙の投票行動
過去に行われた選挙の投票行動
期日前投票・不在者投票の認知・利用経験
社会課題・政治に対する意識
ふだんの関心事・情報収集源
YTTについて
少子高齢化の進展でU30世代が有権者に占める割合は低下しています。投票率も他の世代に比べて低く、政治参加は進んでいません。結果、今の日本の政治はU30世代の声が反映されにくく、そのことがU30世代を政治から一層遠ざける悪循環を生み出しています。
U30世代が希望を感じられる国になるには、U30世代自身の政治参加を進めることが重要です。また、企業や行政の側が、構想・意思決定のプロセスにおいてU30世代の声に耳を傾け、ありたい未来を共に描くなど、次世代起点に変わることも求められます。
NYNJは、U30世代の政治参加を高め、参加型デモクラシーを根付かせるための情報発信を行ってきました。一方、日本総研は、「次世代起点」を重視し、次世代と対話できる関係の構築に努めてきました。U30世代によるU30世代のための活動団体であるNYNJと、次世代起点でありたい未来をつくることに貢献したい日本総研。YTTの構想は、この両者が出会い、対話する中で生まれ、共同のプロジェクトとしてスタートしました。
なお、YTTは、特定の政治団体を支持・批判するためのプロジェクトではありません。あくまでU30世代のことを知り、U30世代に必要な政策などを検討するために活動します。既成の政党などとは、政策を検討するために必要な対話などを行うことはありますが、YTT自体は政治団体や政治活動からは一線を画したプロジェクトとして活動を行います。
今後の活動について
当面の活動として予定している内容は、以下のとおりです。
① U30世代の現在地調査
U30世代が置かれた状況(=現在地)を統計データの分析や諸外国との比較などから明らかにし、分かりやすく可視化した上で、広く発信・共有する。
② U30世代の政治意識調査
U30世代の政治に関する意識調査を行い、その結果を広く発信・共有する。
③ 政策提言
①②の結果を踏まえて、U30世代が希望を持てる社会にするために必要なことを検討し、政策提言する。
それぞれの調査は、NYNJと日本総研が共同で設計し、日本総研が調査実務を行います。また、調査結果を踏まえて発信する内容や提言する政策については双方の対話で決定し、NYNJによるグラフィックを活用しながらとりまとめます。
調査結果に関する情報発信は、双方それぞれで行います。このほか、トークショーをはじめとした共同でのイベントも実施していく予定です。
なお、YTTの活動内容は、NYNJと日本総研との対話の中で決定されます。YTTは、「走りながら考える」あるいは「尋ねながら歩く」プロジェクトです。
■本件に関するお問い合わせ先
NO YOUTH NO JAPAN
担当: 足立 E-mail: noyouth.nojapan@gmail.com
日本総合研究所
【一般のお客様】
未来社会価値研究所/創発戦略センター 足達/井上 電話: 090-5508-2837
【報道関係者様】
広報部 山口 電話: 080-7154-5017