2019年09月25日
各位
株式会社日本総合研究所
「CONNECTED SENIORS コンソーシアム2019」の設立について
株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、高齢者がアクティブな生活を長く楽しむことを後押ししながら、将来支援を受ける際に有用なデータを蓄積し活用する機能を提供するsubMEサービス(サブミー・サービス)の実現・事業化を目的に、「CONNECTED SENIORS コンソーシアム2019(コネクテッド・シニアズ・コンソーシアム2019、以下「本コンソーシアム」)」を設立しました。
本コンソーシアムでは、subMEサービスの社会実装を目指し、システムの機能やデータ分析手法、事業構想についての検討を行います。
■背景とsubMEサービスの概要
今、巷には「人生100年時代」という言葉があふれています。実際、1963年の100歳以上人口は153人でしたが、2018年には約7万人となり、100年生きることは珍しいことではなくなりました。こうしたなか、中央官庁でも様々な分野で議論が始められています。
多くの人が退職する70歳から100歳までの30年、つまり約11,000日は、余生というにはあまりにも長い時間です。人口減少や世帯構成の変化を踏まえると、この時間を高齢者が自らの力で充実させ続ける必要があり、そのための手段が求められています。
本コンソーシアムでは、高齢者がVR技術をはじめとした情報技術などを活用して、時間や場所や身体機能の制約を超え、自ら周囲とのつながりを構築し維持することが、人生 100年の後半約11,000日を充実させる基盤になると考えています。その中核として日本総研が提唱するのが、ユーザーがサイバー空間に自分の情報を再現する、デジタルツイン「subME」です。
subMEサービスでは、subMEがユーザーにその日や将来の予定、関心事などについての短い問いかけを行い、そこから始まる日々の対話を通じて、ユーザーの行動意欲を喚起します。直接的に何かの行動を指示するのではなく、ユーザーに気づきを与え、自ら動機を持って行動するように促すことが狙いです。同時にsubMEは、対話からの情報をサイバー空間に蓄積します。subMEは蓄積した情報を活用することで、新たな仲間や専門家とのコミュニケーション機会を作ることなどにも貢献します。
また、ユーザーが虚弱化し意思疎通が困難になった時には、それまで蓄積した情報を支援者と共有し、そのユーザーらしさを尊重した判断の助けとなることができます。
subMEサービスは、高齢者が生涯にわたり自分らしい生活を続けるために必要なコミュニケーションを支援するものです。また、subMEサービスによって高齢者の行動意欲が増し、情報が共有されることで、高齢者支援に関わる人たちの負担は軽減され、市場からもユーザーのQOL(生活の質)を向上させる多彩な提案が可能になります。
■本コンソーシアムの活動内容
本コンソーシアムでは、subMEサービスの事業化に向けて、以下の3つの活動を行います。
1.プラットフォームシステムにかかる検討
高齢者とsubMEの対話を実現するデバイスやアプリケーション、それらを統括するsubMEプラットフォームシステムの検討を行います。
2.データ分析・活用手法にかかる検討
高齢者とsubMEの対話によって収集するデータの設計のほか、それらの分析・活用手法について検討を行います。また、動機づけ面接を含む各種の心理学的知見を取り入れ、高齢者とsubMEの対話シナリオを作成します。
さらに、subMEとの対話というサイバー空間での体験が高齢者の生活に与える影響について、仮説構築と実証を通じた評価を行います。実証では高齢者が既存のデバイスやアプリケーションを用いて、シナリオ仮説に基づくsubMEとの対話や仲間との交流を体験します。
3.事業構想にかかる検討
subMEサービスのビジネスモデルや事業構造の検討を行います。
■本コンソーシアムのメンバー
一般会員:
・イオンフィナンシャルサービス株式会社
・NECソリューションイノベータ株式会社
・株式会社KDDI総合研究所
・燦ホールディングス株式会社
・積水化学工業株式会社
・株式会社広島銀行
・株式会社三井住友銀行
■活動期間
2020年3月31日まで
■本コンソーシアム終了後の活動計画
日本総研は、本コンソーシアムの成果を踏まえ、賛同する企業と共に、2021年度に事業体を設立し、subMEサービスの普及に向けた活動を開始することを目指します。
■本件に関するお問い合わせ先
【報道関係者様】広報部 山口 電話: 03-6833-5691
【一般のお客様】創発戦略センター 辻本 電話: 03-6833-8761