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「福田ビジョン」がまとめられました

2008年06月09日 村上芽


 6月9日、地球温暖化防止対策をまとめた「福田ビジョン」が公表されました。主な点は次のとおりです。
 ・2050年までに現状比60%から80%の二酸化炭素を削減
 ・セクター別アプローチの議論を経て、来年中に日本の国別総量目標を発表
 ・途上国向けに最大12億ドルを拠出

 国内排出量取引については、「問題点を洗い出すのに時間と労力を費やすのではなく」、今秋には多数の業種・企業による排出量取引の国内統合市場の試行的実施(実験)を開始するとしています。

 中期目標については「目標」として述べられなかった点や、排出量取引の実施について明言されてはいない点、環境税についても税制改革での検討程度にしか触れられていない点などについて、早速批判的な意見がNGOなどから出されています。

 一方、産業界からは、経団連や電気事業連合会から、排出量取引に対して警戒する意見が出されています。

 「福田ビジョン」の受け止め方には幅がありますが、排出量取引について言えば、国際社会に対するメッセージ性はまったくなかったと考えます。なぜなら、国際社会では、既に域内市場の国際リンクが論点となっているなかで、「国内統合市場の実験」にとどまっているからです。非常に内向きな内容と言わざるを得ず、様々な事情があったにせよ、「ビジョン」と名づけるほどでもなかったのではないかと考えます。

 逆に、環境技術に関する国際協力など、世界全体で温室効果ガスを削減するために必要な取り組みの推進についてはもっと冒頭で強調してもよかったのかもしれません。

 いずれにしても「福田ビジョン」は温暖化防止に向けた通過点の1つに過ぎません。洞爺湖サミットでは、首脳が集うからこそ可能な議論が十分に行われ、具体的な行動にすぐにつながることを願います。
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