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公教育と連動した 子ども社会体験科”しくみ~な”


日本総研が実現したいこと


 「すべての小中学生が、自分と社会の幸せを両立し、しなやかに生きるための能力・姿勢である“アントレプレナーシップ”を身につけることを目指して、体験を通して社会の仕組みを学ぶ機会を公平に提供できるようにしたい。」

日本総研が考える「アントレプレナーシップ」とは

 PISA(Programme for International Student Assessment:OECD生徒の学習到達度調査)によると、わが国の子どもたちは、世界的に学力が高い一方で、他国に比べて人生の満足度や自己効力感(「自分はできる!」という自信)が低く、未来への前向きな感情が持ちづらい傾向にあります。文部科学省のデータから見ると、学童期のさまざまな自然体験、社会体験、文化的体験は、12~18 歳の意識に影響を与え “アントレプレナーシップ”の習得につながると思われます。
 しかし、個々の家庭の経済状況、場所、情報、意識によって体験機会に格差があるのが現状です。そこで、以下の方法でさまざまな体験の提供を実現しようと考えています。

 「体験格差をなくすために、学校(教員)、自治体だけでなく、地域全体(地域にゆかりのある地域外の企業や個人を含む)でこどもの体験機会を支援するようにしたい。」

 日本総研は、自律協生社会の実現をスローガンに掲げています。自律協生社会とは、「国や自治体が提供したサービスを民間企業・市民が享受する受け身の社会ではなく、企業や市民がそれぞれ他者に提供できる価値を育み、提供および受領しあう社会」です。地域全体でこどもの体験学習を支援する取り組みは、教育分野における自律協生社会のあり方の一つと考えます。

アントレプレナーシップの習得に向けた自律協生社会のあり方

 小中学校の先生方は体験の重要性をとても認識しています。同時に、子どもたちに公平に体験機会を提供する難しさもよく分かっています。そこで、子どもたちの体験学習の企画・運営や財源を公教育(学校や自治体)任せにせず、地域のステークホルダーがみんなで支援することが大切だと思います。
 また、現在の体験学習は自然体験と職業体験が中心のようですが、アントレプレナーシップの習得を目的とすると、一つの体験を、ただ体験して終わりではなく、複数の役割の体験を通して世の中の“仕組み”を子どもの頃から学んでおくことが教育の意義につながります。

フィンランドの “Yrityskylä(ユリティスキュラ、直訳:ビジネス・ビレッジ)”


 フィンランドの “Yrityskylä(ユリティスキュラ)”は、社会の仕組み、経済の仕組み、仕事の仕組みを、学校教育と連動して、体験学習を通して学ぶ、小中学生向けのカリキュラムです。このカリキュラムは、行政や学校の資源に依存することなく、国内に13拠点ある体験施設の自治体にゆかりのある企業からの支援も受けて運営されており、フィンランドの小学6年生の約90%が参加しています。

 このカリキュラムには以下の特徴があります。
•公平に提供される学び:公教育と連動しているため体験格差がない
•社会(経済・仕事)の仕組みの学び:例えば、公共機関と民間企業の関係、顧客・仕入先との関係など、他者との関係性を重視している
•体験ベースの学び:学内でも体験施設でもロールプレイが基本のカリキュラム
•地域で支える学び:自治体、民間企業、財団、学術機関、地域住民など、地域の多様なプレーヤーが、役割を分担している

 現在、日本総研は、“Yrityskylä(ユリティスキュラ)”のカリキュラムに着想を得て、フィンランド有識者からの助言を受けながら、日本の地方自治体や教育委員会の協力のもと、日本や各地域の状況に合わせた子ども社会体験科”しくみ~な”を開発しています。
 このコーナーでは子ども社会体験科”しくみ~な”と社会実装の取り組み、および、取り組みを通して得られる情報や知見を紹介していきます。
自律協生社会の実現に向けた教育の高度化
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公教育と連動した 子ども社会体験科”しくみ~な”
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