【ハイテク】「DRAMが最安値に 12月後半出荷分 半月で19%下落」
=====≪quote≫ ≪評≫山浦康史〔研究員〕 半導体業界はシリコンサイクルというものがあり、好不況の波が数年単位で繰り返されるといわれている。これは製品の世代交代に合わせて需給のバランスが急激に悪くなることが原因で、好況と不況を繰り返すという構造がある。DRAM業界も例外ではなく、世代交代(例:512メガビットから1ギガビットへの世代交代)に合わせてDRAM業界の各社が一斉に投資を行い、各社の製品が市場に出回る頃には供給過剰に陥り、急激に値崩れが生じてしまう。 企業にとっては市場に対して値崩れが起こる前に新世代製品を投入することが重要となり、新世代製品の量産体制をいちはやく築くために各社とも競って研究開発投資や設備投資を行う。しかし、DRAMの生産ラインの設備投資は膨大であり、かつ簡単にDRAM以外の製品に生産ラインを置き換えることができないため、市場価格が原価割れしていても固定費を回収するためにDRAMを作り続けることを強いられる。 ここ2年間程、DRAM業界は不況だと言われているが、昨年(2008年9月)の「リーマンショック」に端を発した大不況の影響により、さらに需要が落ち込んだ格好となっている。また、出荷価格が0.68ドルでは製造原価を大きく割っている可能性が高いため、メーカーとしては、作れば作るほど赤字になるという非常に苦しい状況にある。この状況が続けば、さらなる業界再編は免れない状況になるだろう。 |