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【通信】「Microsoft、「Windows Mobile 6.5」とオンラインストアを発表」


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 米Microsoftは2月16日、Mobile World Congress 2009において、携帯向けOSの最新版「Windows Mobile 6.5」を発表した。またオンラインストア「Windows Marketplace for Mobile」も発表した。
 Windows Mobile 6.5はホームスクリーンが刷新され、新着メールや不在着信、最新の予定などがダッシュボード形式で表示される。またタッチスクリーンによるインタフェース機能が改善されたほか、最新バージョンのモバイル版Internet Explorer(IE)が搭載される。最新版Windows Mobile搭載の携帯(Microsoftは「Windows Phone」と総称する)は2009年下半期にHTCやLGなどから発売の見込み。
(出所)IT Media News(2009年2月16日)

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≪評≫岡本俊哉〔研究員〕

 PC向けOSで確固たるシェアを握る米Microsoft社もモバイルOSでは苦戦が続いている。世界市場ではSymbian社(本社:英国)の6割に対して、MS社は1割程度に留まっている。スマートフォン市場でも、Symbian社の5割に対して、MS社が1割と報告されているが、この認識は国内市場においては、正しくないだろう。というのも、日本で発売される携帯端末のほとんどは、その高度な機能から、世界市場ではスマートフォントとみなされていることが多いのである。

 日本における携帯電話のOSに関して言えばSymbian社が6割を超えるシェアを握っているのに対して、MS社は数%程度であり、MS社にとっては世界市場よりも厳しい状況にある。一方で、日本におけるスマートフォンが携帯電話に占める割合は数%程度であり、スマートフォンにおけるOSのシェア争いは始まったばかりである。

 まずポイントとなるのが、データ通信市場の動向である。2008年頃からデータ通信市場は伸びているが、これはスマートフォンとのバンドル販売が伸びていることも起因しており、2台目携帯の需要を捉えたものと言える。また、日本人のスマートフォンに対する認識も重要である。スマートフォンを携帯電話ではなく、モバイルPCの携帯版として捉える(そのようにマーケティングされてきた)感もあり、そもそも携帯電話が高度・多機能である日本人には素直な受け止め方とも考えられる。

 MS社はPCと同じような機能を持ったスマートフォン向けモバイルOSといった方向性を示しており、当初のターゲットはビジネスユースである。PCにおけるOSの圧倒的なシェアを背景に、仮に、PCと連携することで高い利便性を打ち出すことができれば、国内のスマートフォンOS市場でシェアを確保することができるのではないか。ただし、各社の携帯専用サイトとの連携やインターネット接続料金(定額パケットに含まれない)など、ハードルは低くないだろう。また、金融危機の影響により2台目携帯という“贅沢品”は買い控えられる可能性があり、市場の立ち上がりが緩やかになるであろうことも併せて想定しておきたい。

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