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国際戦略研究所 研究員レポート

【米国大統領選挙報告】2020年アメリカ大統領選挙をめぐる状況 ―郵便投票問題と選挙後に考えうるシナリオ―

2020年09月25日 市瀬由香里


■はじめに
2020年米大統領選挙でほぼ確実なことが1つある。それは、今回の選挙が米国史上最も混迷を極める選挙になることだ。新型コロナ感染拡大予防措置の一環として少なくとも35州で緊急に法整備化された「郵便投票」制度の拡大により、近年類を見ない程の投票率の増加が見込まれている。支持率の推移は未だバイデン候補が概ね7ポイントリードし、FiveThirtyEight社などの分析では、75~86%の確率でバイデン候補が勝利との予想が出ている。その一方、トランプ大統領かバイデン候補のどちらかに軍配が上がったとしても、選挙結果の「不正」を巡る訴訟問題へ発展することは確実視とされ、また仮にトランプ大統領が敗北した場合、ホワイトハウスから退去しない、との可能性も米メディアで広く取り沙汰されている。最近、トランプ陣営は訴訟関連予算を2倍の2,000万ドルに引き上げ、バイデン陣営は、総勢300人で構成された訴訟問題戦略チーム(”Legal War Room”)を新たに発足させた。
2020年大統領選は米国史上最も多くの訴訟が繰り広げられる選挙戦になるとも言われている。これらの混乱は恐らく選挙戦前後で終焉する話ではなく、その後数か月にわたって次期大統領が正式に選出されないといった可能性など、様々なシナリオが存在する。本稿では、本選挙戦最大の争点である、「郵便投票」を巡る問題を解説しつつ、今後の見通しについて分析したい。

【米国大統領選挙報告】2020年アメリカ大統領選挙をめぐる状況 ―郵便投票問題と選挙後に考えうるシナリオ―
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