国際戦略研究所 田中均「考」
【毎日新聞・政治プレミア】ジャニーズ問題 メディアの姿勢を問う
2023年10月13日 田中均・日本総合研究所国際戦略研究所特別顧問
日本の人権意識の低さが露呈している
ジャニーズ問題は日本における人権意識の低さを露呈させている。もともとセクハラ、パワハラについて、日本社会の認知度は高かったわけではない。欧米では2017年にニューヨーク・タイムズが高名な映画プロデューサーであるハーベイ・ワインスタイン氏の数十年にわたるセクハラを告発し、それが#MeToo運動としてSNSで広がっていったのは記憶に新しい。ハリウッドでは、「もう見て見ぬふりをするのは終わりにしよう」という「タイムズ・アップ」運動につながり、同種の性的虐待が明らかとなっていった。ワインスタイン氏は大きな力を持ったプロデューサーであっただけに、自分のキャリアは終わってしまうかもしれないという恐怖心が被害者に告発を控えさせた理由であった。
しかし、ニューヨーク・タイムズの告発記事掲載や雑誌ニューヨーカーの10カ月にわたる取材記事により大きな社会運動となったわけである。
メディアの「見て見ぬふり」
ジャニーズ事件の場合には既に04年の最高裁判決によりジャニー喜多川氏による性加害が事実認定されているにもかかわらず、主要なメディアはこれを大きく報ずることはなく、…
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