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国際戦略研究所 田中均「考」

【毎日新聞・政治プレミア】ウクライナ戦争の出口を探る

2022年04月13日 田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長


 ウクライナの戦局は膠着(こうちゃく)しているが、戦いは2014年から続くウクライナ東部ドンバス地⽅の内戦の形に戻りつつある。当時と現在の違いは、親露分離派勢⼒が⽀配する「ルガンスク⼈⺠共和国」「ドネツク⼈⺠共和国」をロシアが承認したことに加え、ロシアの直接軍事作戦により実効⽀配している地域を⼤幅に増やしたことであり、双⽅が正⾯衝突する「ロシア・ウクライナ戦争」へ変わったことだ。
 ロシアの戦争目的とは親露のドンバス地⽅の実効⽀配、既に併合したクリミアに⾄る陸の回廊の確保にあることが明らかであり、プーチン⼤統領⾃⾝の「⼤ロシア」観に基づき、ウクライナ東部から地中海に⾄る対北⼤⻄洋条約機構(NATO)の壁をつくるということなのだろう。

これからどうなっていくのか
 このまま進めばどうなるのか。戦争の泥沼化だ。ロシアは東部・南部に戦⼒を集中してくるのだろう。しかしウクライナには⽶国をはじめNATO諸国からの軍事⽀援が強化されるだろうし、戦争の熾烈(しれつ)化、⻑期化だ。同時にロシアに対する経済制裁は強化され、ロシアの外貨収⼊を断つべく⽯炭、⽯油、天然ガスの輸⼊停⽌、さらにはロシアへの新規投資の禁⽌といった措置が⻄側に広がる。また、国連⼈権理事会でのロシアの資格停⽌に⾒られるように、国際場裏からのロシアの排除は続くだろうし、ロシア外交官の追放も続く。⺠間⼈の虐殺に関する戦争犯罪の追及も進むだろうし、戦況の膠着化とともにプーチン⼤統領が追い詰められていくことは必⾄だ。しかし、…

続きは、毎日新聞「政治プレミア」ホームページにてご覧いただけます。
https://mainichi.jp/premier/politics/田中均/
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