コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

コンサルティングサービス

企業のための生物多様性Archives/
用語集

五十音順
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
アルファベット順
ABC DEF GHI JKL MNO PQR STU VWXYZ

森林認証制度(FSC/SGEC)

森林認証制度とは、森が健全かどうか、森が正しく管理されているか、森に働く人たちの暮らしが守られているかなど“適切な森林管理”がされていることを認証するものであり、その森林で生産された木材及び木材製品をラベリングする制度です。世界各地に様々な認証制度があります。
世界の森の審査を行う中心的な組織としてFSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)があります。FSCは森林及び林産物の認証機関の評価・認定・監督を独立して行う、非営利、非政府の国際組織で、本部はドイツのボンにあります。会員数は2008年2月現在736です。
FSCの行う認証には大きく二つの形態があります。森林管理の認証(FM認証)は、管理されている森林/林地に適用します。そして生産・加工・流通過程の管理の認証(Chain of Custody;CoC認証)は、認証された林産物を通じその林産物の加工過程の経路が追跡できることを確かなものとしており、完成した林産物がFSC認証森林その他FSCの定める基準を満たしたものから来たものであることを保証しています。
FSC森林認証では、「森林管理のためのFSCの10原則と基準」に基づき、適切に管理された森林を認証します。認証作業は、FSCの認定を受けた認証機関が行います。現在活動中のFSC認定の認証機関は、2007年12月現在、世界に18あります。

一方、日本にも独自の認証制度があります。SGEC(Sustainable Green Ecosystem Council:『緑の循環』認証会議)は、日本の森林・林業を守るために、業界だけでなく、環境NGO、市民団体など各界の人たちが議論を重ねて生まれました。日本の森林管理のレベルを向上し、生産者と消費者とを結ぶ、「自然環境の信頼と安心」を届ける制度です。
SGECは「SGEC『緑の循環』の7つの基準」に基づいて認証されます。この基準は、推奨されている持続可能な森林管理の考え方をもとに、日本の現状にあわせてつくられた国際性を持つ基準となっています。
SGEC認証もFSC認証と同様、森林と、林産物に対する認証の形態があります。SGECの森林認証システムは、日本の森林管理のレベルを向上し、豊かな自然環境と持続的な木材生産を両立する、健全な森林育成を保証するシステムです。SGEC認証林産物流通システムは、加工・流通過程においてSGEC認証森林からの林産物を分別・表示管理し、“信頼と安心”のSGEC環境ブランドを消費者に提供するシステムです。

生態系

生物間が相互に作用しあう範囲での、ある程度閉じた生物のまとまり。島や干潟、高山といった環境の違いでまとめられることが多い。

生態系サービス

生物が環境に作用することで得られるサービスのこと。大気成分の調整や土壌の形成、漁業資源などの食料や木材などの資源の提供が例として挙げられる。

生物多様性国家戦略

生物多様性の保全と持続可能な利用に関わる国の施策の目標と取組の方向を定めたものです。最新のものとなる第三次生物多様性国家戦略が2007年11月に閣議決定され、この中で、はじめて企業の取組・参加の必要性が明記されるようになりました。

日本で生物多様性国家戦略が初めて作られたのは1995年です。当時、生物多様性条約の加盟国である日本は、国家計画の作成を急ぐ状況でした。しかし、国家戦略作成にも関わらず、その後も生物多様性の危機が止まらないため、社会経済の変化なども考慮して見直しが進められました。その結果、2002年に新・生物多様性国家戦略が決定し、この中で5年後の見直しが定められていたことで、今回の第三次生物多様性国家戦略の決定につながりました。

第三次までの見直しが進む中で、背景、課題、目標、主体などといった点がより詳細になりました。たとえば、課題として地球温暖化による危機が新たに挙げられています。生物の生息地には気候が大きく影響しており、気候の変化はそこに住む生物に致命的な影響をあたえます。そこで、こうした影響を認め、地球温暖化の緩和と適応策の必要性が新たに記載されるようになりました。

第三次生物多様性国家戦略の行動計画の中では、関係省庁の名前も挙げながら具体的な施策に言及しています。今後、関係省庁の施策が進むと共に、国のほかにも、地方公共団体、企業、NGOなどによる、生物多様性の保全に向けた具体的な取組みが加速していくことが期待されています。

生物多様性ホットスポット

多様な生物が生息しながら、絶滅に瀕した生物の多い地域。コンサベーション・インターナショナル(CI)によって選定され、保全の重要性が特に高い地域と判断されている。



(用語は随時追加されています)