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企業のための生物多様性Archives/
用語集

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アグロフォレストリー

単一種の植林ではなく、樹木を中心に植栽し、樹間で多種の樹木種、果樹、野菜などを混合して栽培する農法のこと。生態系には養分の循環や生物間の共生といった機能が存在しており、こうした自然の相互機能を利用して、同じ土地の中で、樹木・家畜・その他の農作物など多種類の品目を同時に育てることができます。

主にアフリカなどの熱帯地域を中心に行われており、生態系の保護と農業収入の向上の両面においてメリットがあります。例えば、高い木の木陰にコーヒーやカカオなどの日陰を好む樹種を植え、さらにその周囲に1年生の作物を栽培するなどの組み合わせが実践されています。

森林に大きなダメージを与える焼畑農業と異なり、森林と農作物を共存させるため、生物多様性の面でも大きな効果があると注目されています。

遺伝資源

生物多様性条約において、遺伝資源とは「現実の又は潜在的な価値を有する遺伝素材」と定義されています。ここではこの定義を「現実の又は潜在的な価値」と「遺伝素材」に分けて解説します。

「現実の又は潜在的な価値」とは、現在利用されることで得られる便益以外に、将来得られる可能性のある便益を含めた価値をさします。一般の鉱物資源のような、現在の技術で加工して即座に利用可能な便益はもちろん価値として含まれます。他方で、遺伝子の利用方法というものには未確定の部分が多くあります。遺伝資源の場合、将来の研究開発、技術の進歩を通して得られる可能性のある便益を、定義の上であらかじめ含めているのです。

こうした便益は生物の一部の特徴を利用することで得ることができます。たとえば冷害に強い稲は、寒冷な地域に生育していた稲に品種改良を加えることで作られました。これは寒冷な地域でも米を収穫するという便益のために、寒冷な地域で自生していた稲という「遺伝素材」を利用した事例になります。生物多様性条約では「遺伝素材」を「遺伝の機能的な単位を有する植物、動物、微生物その他に由来する素材」と定義しています。

現在、ブラジルやインドネシアといった生物多様性が特に高いとされる国が、自国の遺伝資源の重要性に注目しはじめています。このため、海外に生物を持ち出すことを規制する動きが強まっています。しかし、遺伝資源はそのままでは利用できないので、将来の有効活用を目指した先進的な研究開発が不可欠です。遺伝資源を有する側と利用する側、双方にとって公平な利益の分配ができるよう、金銭や教育、技術移転、ライセンスなどを通した取組みの実施が求められています。



(用語は随時追加されています)