国内事例
株式会社ツムラ様
人間社会が生物多様性の恩恵に与っている代表例のひとつとして医薬品が挙げられます。合成薬の約半数は自然由来のものであり、アメリカにおける遺伝資源由来の薬の売り上げは1997年時点で約1500億米ドルに上るとも言われています。生物多様性との関係の深さを指摘されている医薬品業界の中でも、原料と直接の関係を意識して取組みを進めているツムラのお話を伺いました。
2008年
株式会社リコー様
全ての企業は生物多様性に関係があるとされています。では、企業は具体的に何をすることが求められているのでしょうか。例えば、原材料に近い商品を扱っている企業ならば本業の中で生物多様性に与える影響を減らすこともできるでしょう。しかし、それ以外の業界ではどうなのでしょうか。今回は、原材料に直接関係を持たない電気機器業界の中で取組みを進めているリコーのお話を伺いました。
日立化成工業株式会社様
2010年の生物多様性条約COP10が近づくにつれ、生物多様性の問題を意識する企業が増えてきています。COP10の名古屋開催は、世界に向けて生物多様性への積極的な取組みをアピールできるチャンスである一方で、規制が強化されたりNGOからの監視の目が厳しくなるリスクが高まる可能性もあります。そこで、社会の要求に敏感な企業はチャンスとリスクのどちらにも対応できるよう準備を始めています。しかし、実際に準備を始めるとなると様々な障害にぶつかることになります。自社と生物多様性はどう関係しているのか、どんなリスクがあるのか、何が重要なのか。こうした障害を乗り越えるキラーツールとして期待されるガイドラインが、「企業のための生態系サービス評価(ESR:The Corporate Ecosystem Services Review)」です。2008年10月に公式の日本語訳を公表した日立化成工業にお話を伺いました。
積水ハウス株式会社様
大阪駅に近い梅田スカイビルの公開空地にできた「新・里山」は、訪問した2月には目を引く花もなく一見寂しい冬の里山の風景でした。しかし、街の中にありながら最近都会では見かけなくなった百舌(もず)が営巣するなど、ここを訪れる生物は非常に多様であるといいます。もとは「花野」と呼んでいた場所を、生物との係わりを意識した「新・里山」に作り変えたのが積水ハウスです。実は造園での売上げ規模では日本で最も多く、庭やまちづくりなどの緑化事業や木材調達などを通して本業の中での生物との係わりに注目している同社にお話を伺いました。
2007年
清水建設株式会社様
これまで建設業界はダムや道路の建設を通して生態系を破壊する存在として認識されてきたのではないでしょうか。実際に自然保護団体や地域住民の反対を受けた例も見受けられます。
その一方で、現在、建設会社各社は環境関連の技術で鎬を削っています。近年増えつつある社会貢献活動の一環としての屋上緑化やビオトープといった事業、これらに使われる技術は建設業界の中で進化してきました。
建設業界の中でなにが変わってきているのか、自社の中に「生態系グループ」という部署を持つ清水建設にお話を伺いました。
コンサベーション・インターナショナル様
企業が生物多様性の保全に取組む上で障壁となるのは、何をすればいいのか分からない、そもそも自社のビジネスが生物多様性とどのように関わっているのか分からない、ということがあります。こうした問題に対処する方法のひとつとしてNGOとの協働が挙げられていますが、NGOにはどのようなことが期待でき、企業は何を期待されているのでしょうか。
生物多様性の保全に取組む国際的なNGOで、企業との連携の歴史も長いコンサベーション・インターナショナルにお話を伺いました。