コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

コンサルティングサービス

第2回:SF小説家と未来洞察コンサルタント、さて、どうコラボする?

八幡晃久 & SF-Foresightプロジェクト


 さて、第1回の通り、未来の兆しから新たな社会の姿を描き、そこからビジネスのヒントを得る“Foresight”という手法を提供してきたコンサルタントと、SF小説家(高島氏)がタッグを組み、「“SFなるもの”を、よりビジネスに、イノベーションに活かせるようにするために、一緒に何かやりましょう!」というところまで話は進んだ。さて、次は、何をするか、である。

 何をするか、を検討する過程で、自然と未来デザイン・ラボが提供している「未来洞察」手法について、高島氏に紹介することとなった。未来洞察についての詳述はここでは避けるが、簡単に説明するならば、まず、興味・関心のあるテーマについて、「①ありそうな未来」に留まらず、そのテーマの外側にある、不確実な変化がもたらす未来、いうなれば「②ありうる未来」にも目を向ける。その上で、①ありそうな未来と、②ありうる未来が同時に実現した時に、どのような未来がそこに存在しうるかを複数パターン考えることで、「③新たな未来の可能性に、自社にとっての新たな事業機会となりうる未来像(=機会領域)」に気づくための手法である。いうなれば、各業界の専門家にとって、日常的な事業運営においては全く関係ないものとして捨象してしまうであろう「想定外の変化」を、②ありうる未来に目を向けることで、強制的に取り入れ、新たな機会を見出す手法といえる。

 幸い、これまで、多くの企業に導入頂き、実績を積んできた手法ではあるが、一方で、課題も感じていた。それは、直接議論に参加していない人たち、特に社内の上席者に対して説明した際に、なかなか理解してもらえないことである。これは、普段の事業運営では目を向ける機会がない②ありうる未来を取り込んでいるため、必然ではある。議論に参加した人たちは、機械領域の文脈や、機械領域を見出した際の発見感を共有しているため、ある種、身体的に「このような未来になる可能性があること」を理解しているのである。それに対して、議論に参加していない人たち、それも、社内の上席者たちに、どのように体感として理解してもらうかは、未来洞察手法のひとつの課題であった。このような課題感を踏まえ、まずは、未来洞察の手法を用いて、未来像を描いたうえで、それを伝える手法として、SF小説の考え方やノウハウを用いてみるのはどうか、と提案し、高島氏にも了承頂いた。

 一般的に、未来を描き、それを企業活動に活かすまでには、(1)着目すべき変化を見出す、(2)その変化がもたらす未来を描く、(3)その未来を読み手に伝わるように表現する、(4)未来像を起点として、新規事業や経営ビジョンを検討する、というプロセスが存在する。今回の高島氏との協業においては、(1)および(2)を未来洞察の手法を中心に実施したうえで、SF小説家の知見やノウハウを注入しながら、(3)洞察した未来を、読み手に伝わるようにより(4)につながるような形で表現することに挑戦したといえる。

(1)着目すべき変化を見出す (2)その変化がもたらす未来を描く (3)その未来を、読み手に伝わるように表現する
未来洞察の手法を採用 未来洞察の手法を採用 SF小説の手法・ノウハウを活用

 というわけで、今回のコラボレーションでは、(1)、(2)のプロセスは未来洞察の手法を中心に行うこととなった。まずは次回より、未来洞察のプロセスを中心とした検討過程をお伝えする。当然ながら、未来洞察プロセスにおいても、SF小説家の持つ知見やノウハウが発揮された箇所は存在する。この点については、後半のSF小説家との対談の中で、明らかにしていくこととしたい。
未来デザイン・ラボ
未来デザイン・ラボ
理念
サービスおよびネットワーク
検討プロセス
アプリケーションと事例紹介
フォーサイトツール
未来洞察コラム
JRI Future Signal
SF × 未来洞察
講演・セミナー
特許

サービスに関する
お問い合わせ