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Sohatsu Eyes

わが国のリサイクルを考える

2006年08月22日 武藤一浩



中国やインドの急成長で、天然素材の価格高騰が続くなど、資源の枯渇が懸念される中、2006年7月に、日欧米8カ国がリサイクル率の数値目標を設定することで基本合意したという新聞記事がありました。リサイクル率については、世界標準の指標がまだ整備されていないなど、温暖化ガスの取組みに比べ対応が遅れていましたが、この基本合意を契機に、将来、リサイクルについても、各国が目標数値を掲げその達成を目指すことになるでしょう。

しかし、リサイクルの世界標準の指標を作ることはなかなか難しいと感じております。というのは、サーマルリサイクルやマテリアルリサイクルなど、何を持ってリサイクルと定義するかが各国でまちまちであるからです。現に、わが国の各企業によっても、リサイクルやゼロエミッションの定義がまちまちであり、リサイクルを推進する方向も統一されていません。

我々はこの問題に着目し、わが国のリサイクルやゼロエミッションを推進するための統一された仕組みづくりを検討しています。具体的には2つの活動を進めています。

1つは、リサイクルの質の追及です。各企業が進めているリサイクルについて、それぞれのリサイクル対象物が再活用されるまでを「コスト負担」、「環境影響」、「資源有効活用」の3つの軸で数値化し、その改善を進めていく手法です。これは、企業がリサイクル物を委託や売却した先の状況をトレースします。つまり、リサイクルLCAを追及していく活動です。こちらは、あるハウスメーカーさんと共同で進めている取組みです。

2つ目は、ICタグでリサイクル物を重量管理し、現場単位のリサイクル推進状況を数値化することで、現場に関わる「人」の廃棄物・リサイクル業務の改善を進めていく活動です。こちらも、埼玉県上尾市にある上尾中央総合病院さんと一緒に取組み環境省の補助事業に認定されました。また、積水ハウスさんの新築現場リサイクルにおいても、国土交通省の補助事業に採択され、取り組みを進めていくことになります。

どちらも世界へ誇れる先進事例となることを目指し、活動を進めております。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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