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Sohatsu Eyes

成長するPDCA

2005年07月26日 武藤一浩



「各種リサイクル法」「環境ISO」「COP3」など、環境に関する様々な社会システムの整備が進み、各業種でクリアすべき目標値が設定されています。これら「社会システムへの順応」や「目標値クリア」に苦労している企業と、先取りして順応し、より高い自主目標を設定している企業との差別化は確実に進んでいます。 今後、この差別化をより進めるには、構築した環境マネジメントシステムの持続的な成長が不可欠です。具体的には、Plan、Do、Check、Action、が成長するサイクルになっていることです。

構築された一般的なPDCAでは、「CやAがない」若しくは、「Cの具体性に欠ける」ため、「PやDが改善されない」「改善に手間がかかりコストUPとなる」「取り組み成果が各現場に伝わらずモラルが下がる」などの問題からPDCAが連続しているとは言えません。 この問題の解決には「Cのシステム化」が有効です。Cのシステム化とは、Cをよりきめ細かく短期間かつシステマチックに実施することです。従来、PDCAでは年・月単位かつ工場や事業所単位で目標決めと改善が実施されます。これは、改善策の根拠が「定性的」で、上述の問題につながります。一方、Cのシステム化では、週・日単位かつ部署や担当者単位での目標決めを可能とし、改善根拠を「定量的」に示します。結果、「現場の理解」「コストUPの改善」の実現から連続したPDCAを取り戻します。
Cのシステム化については、MATICSコンソーシアムの医療廃棄物タスクフォースで実際に医療機関と共同して検討を進めています。例えば、ある廃棄物が「想定よりも多い」場合が、「どの部署」から「何時廃棄され」、その「要因が何」であったかを分析し、「改善対応策を該当者に具体的に示し」、「改善結果を確認」する、というきめ細かなCが実施されます。 同コンソーシアムでは、医療機関での「Cのシステム化」が実証された後、リサイクル法が進む建築業など幅広い分野での適用を目指して検討を進めます。どうぞご期待ください。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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