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2007年09月26日

都市中心部・周辺部それぞれに注視が必要な地価動向 ~地域メッシュによる地価とファンダメンタルズ突合の検討結果~

要旨
1. 三大都市圏を中心に地価の上昇が加速しバブル再燃を懸念する見方も出ているが、日本全体や都道府県単位で経済指標と地価を比較検討した限りでは、収益性からの大幅な乖離は明確には起きていない。
2. ただし、地価上昇が目立つのは一部の地区、地点にとどまり、それ以外の多くの地区、地点では地価が下落していたり、上昇していても小幅であったりするために、全国単位や都道府県単位の検討では二極化している地価の現状をとらえ切れないのではないかという点が課題として残る。
3. 大幅な地価上昇が限られた地域で起きているという状況に即してできるだけ詳細に検討を行うために、地域を網の目状に細分した小区域単位で試算してみると、大阪市中心部では、実際の地価同様、収益性の観点から求めた上昇率も大幅になることから、必ずしも経済力からかけ離れているとは言えない。
4. 他方、試算値の上昇には、不動産投資のリスクプレミアム低下が少なからず寄与していることから、リスクプレミアムの低下が今後も続き、その要因の寄与度によって地価の大幅な上昇が止まらないようであれば、投資の強気な姿勢に対する警戒が必要になってくるだろう。
5. 中心部以外の小区域では、中心部から離れるほど地価上昇率が小幅となっており、地価上昇は中心部の限定的な範囲にとどまっているようにもみえるが、中心部以外の小区域の小売業販売額は減少している可能性もあることから、小幅であっても地価上昇が地域の経済状況に見合ったものかどうかが問題となる。
6. 中心部以外における地価上昇は、事業を継続したり新たに開業や開店を考えたりしている企業や個人にとって、期待できる売上げや収益に比べて不動産入手のための金額が上がったり、地代や固定資産税などの負担が重くなったりすることから、事業の制約要因となるおそれがある。
7. 最近の地価動向に関しては、緊急に警戒を要する状況とは言えないものの、中心部とそれ以外の区域それぞれ個別に留意すべき点があり、今後の動きには引き続き注意を欠かせない。
目次
 
  要 旨
  1. はじめに


  2. 最近の地価動向の特徴


  3. 全国および都道府県単位の地価と経済指標の比較検討


  4. 小地域単位の地価と経済指標の比較検討
    (1)小地域単位による検討の意義
    (2)大阪市の地価の状況
    (3)中心部の各地区や小区域の経済力の状況と地価の妥当性
    (4)中心部から離れた小区域の地価動向が包含する問題点


  5. おわりにかえて
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