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2007年05月24日

高齢者世帯における日常生活費不足が恒常化 ~求められる新たな生活費補てん手段~

要旨
   近年高齢者世帯では、日常生活費(支出)が増大する一方で、所得環境の改善の遅れなどにより、平均すれば日常的に生活費が不足。とりわけ、公的年金を主な収入源とする高齢者世帯で家計赤字が深刻化。こうした赤字の補てんは金融資産の取り崩しで対処可能なものの、長寿化が進展するなか、将来半数以上の高齢者世帯で金融資産が不足し、生活費を賄うことが困難になる可能性が大きい。高齢者世帯の生活費を補てんする新たな資金調達手段の提供が求められている。
1. 日常生活費が増大する一方で収入は減少、毎月の赤字幅が拡大
   医療制度改革に伴う患者自己負担増と子世帯との独立に伴う生活費負担の増加により老後の生活費支出が増大。一方で、公的年金制度改革による支給額の抑制と低金利政策の下での利子の減少により、収入は伸び悩み。さらに、子世帯と一定の距離を置く高齢者世帯が増加しているため、子世帯からの生活費の補てんも期待できず。これらの結果、日常生活費の不足(赤字)を招来。この結果、世帯主65歳以上で配偶者60歳以上の無職の世帯では、毎月の家計の赤字が1990年代の月平均1.3万円から2000年以降は同3.4万円に拡大。
2. 将来、高齢者世帯の半数以上で生活費を賄うことが困難になる可能性大
   高齢者の毎月の赤字は預貯金などの金融資産の取り崩しにより補てんされているものの、長寿化が進展するなか、将来、金融資産が涸渇する可能性大。高齢者が生涯にわたり日常生活費の不足分を賄うために必要な最小限の資金を約1,700万円と見積もると、自己の金融資産のみで生活費を賄うことが可能な高齢者世帯は半数未満。高齢者世帯の生活費不足を安定的に補填するためには、預貯金など金融資産の取り崩し以外の資金調達手段が必要。
3. 有効な資金調達手段リバースモーゲージ、行政を含めた普及に向けた取り組みが必要
   高齢者世帯の保有する住宅・土地の資産額は金融資産の倍以上。従って、住宅・土地という実物資産(ストック)を長期間に亘って資金化(フロー)することが可能なリバースモーゲージは高齢者にとって有効な資金調達手段。しかしながら、現行の民間サービスの利用対象は比較的高額な物件所有者に限定されるほか、契約期間途中で担保割れの場合には、融資し打ち切りのリスクもあり、必ずしも使い勝手が良くない。 同サービスを本格的に普及させるには、金融機関が保険機能や証券化の活用によって商品性を改良するとともに、中古住宅市場の整備など不動産や建設などの他業種や行政の積極的な取り組みも必要。
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