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2007年03月16日

日銀短観(3月調査)予測

業況判断DI:増産テンポ調整・販売価格低迷を主因に足踏み感。
(1)   3月日銀短観の業況判断DIは、年明け後の景気拡大ペース鈍化を示す内容となる見込み。すなわち、わが国では、設備投資の好調や個人消費の持ち直し、原油価格の高騰一服がみられるものの、a.海外景気のスローダウン、b.ITデバイスの在庫率上昇、c.賃金伸び悩みのもとでの家計の根強い低価格志向を背景に、(1)生産活動の拡大テンポが足元で鈍化しているほか、(2)中小企業を中心に販売価格引き上げがなお困難な状況。
  加えて、2月下旬以降の為替相場や株価のボラタイルな動きが、足元の事業展開のスピードを鈍らせ、企業マインドにマイナスの影響を与えている可能性も。
(2)   こうしたなか、各セクターのDIは、昨年12月までの上昇テンポが一服し、横這いないし小幅低下となる可能性が高い。
  当社では、全規模全産業ベースのDIを12月対比2ポイント低下の+8と予想。12月に15年ぶりのプラス浮上となった中小企業全産業も、小幅ながら再びマイナス圏へ。
(3)

  また、本年6月までを想定した「先行き見通し」DIについても、米国景気の「着陸遅延」リスクや、そのもとでの市場不安定化リスクがくすぶるもとで、全体的に慎重な見方が示される可能性が高い。
  全規模全産業のDIは、3月対比2ポイント低下の+6を予想。

(4)

  以上のように、3月短観では企業マインドの「足踏み」が予想されるものの、わが国企業部門は、a.ITデバイス以外の在庫率が総じて低水準であること、b.各種構造調整圧力が解消しマネーストックも潤沢であることなど、相当程度のショック吸収力を保持。これは、ITバブル崩壊時や2004年の「踊り場」局面とは異なる構図。
  本年央ごろまでに米国景気の調整一巡が視野に入ってくれば、6月短観のDIは再び改善(3月時点の見通し対比上振れ)に向かい、景気のピークアウトを示唆するような展開には至らない見通し。

日銀短観<2007年3月調査>:業況判断DI予測
日銀短観<2007年3月調査>:業況判断DI予測
(注) 「旧ベース」「新ベース」は、今回の2007年3月調査で調査対象企業の定例見直しが行われることにより生じる集計値のシフトを念頭に整理したもの。
  なお、2006年12月値は、日本銀行より新・旧両ベースの集計値が公表されている。

設備投資計画:2006年度は2ケタ増も、07年度の「発射台」は慎重に。
(1)   2006年度の設備投資は、足元で中小企業による積み増しの動きが鈍っている可能性があるものの、総じてみれば、a.設備投資効率(固定資産営業利益率)の緩やかな改善、b.潤沢なマネーストックを背景に、昨年12月時点の計画からそれほど大きく乖離しない形で着地していくと考えられる。
  全規模全産業ベースの前年度比伸び率は、3月見込段階で+10.2%(土地を含みソフトウエアを除く)を予想。最終的な実績伸び率も+9%台~+10%に達する見込み。
(2)   一方、今回の3月調査から集計される2007年度計画は、a.足元生じている内外景気の減速度合いを見極めるスタンス、b.一部産業(素材、鉄道など)の大型案件による押し上げ効果の一巡、c.M&Aなど他の事業拡大手段を積極的に採用する動き、などを背景に、中小企業を中心に2005・06年度に比べ低めの「発射台」となる公算(全規模全産業ベースで前年度比▲2.8%を予想)。
(3)   なお、2007年度の設備投資は、上記a.b.を背景に、2006年度にかけてのハイピッチな拡大ペースに比べやや減速気味に推移していく可能性が高い。
もっとも、(1)企業収益の堅調と潤沢なマネーストック、(2)企業の経営課題が「過剰雇用・設備・債務の調整」から「グローバル競争での勝ち残りをかけた積極的な事業展開」へシフトしていること、などから設備投資の中期的な拡大局面自体は維持される見通し。
このもとで、上記a.の不透明要因が次第に払拭されていけば、例年同様に増額修正が進み、最終的には5年連続の増加となる公算が大きい。
日銀短観<2007年3月調査>:設備投資計画予測
日銀短観<2007年3月調査>:設備投資計画予測
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