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2007年01月17日

ハイテク・ベンチャー主導の成長戦略を ~事業化リスク軽減が成功の鍵~

要旨
(イ) イノベーションによる成長戦略が近年先進各国を中心に一段と本格化。2006年10月、アメリカ国立科学財団は2006~2011年度の戦略プラン「アメリカの未来への投資」を公表。12月にはEUが2007~2013年の科学技術革新計画を策定。わが国でも、4月、2006~2010年度の第3期科学技術基本計画がスタートし、12月にエンジェル税制の2年間延長方針が決定されるなど、様々な施策が具体化。しかし、イノベーション型成長戦略を実現するプレイヤーをみると、大手メーカーは積極的な特許取得など世界屈指の競争力を誇るものの、ベンチャー企業の活動は主要各国に比べて依然として低調。
(ロ) ベンチャー企業の活動が活発なアメリカについて2000~2003年の雇用者数と売上、賃金動向をみると、まず非農林業雇用者数が全体で179万人減るなか、ベンチャー企業の雇用者数は逆に60万人増加し、雇用情勢の悪化に歯止め。売上高でも、全体が6.5%の増加にとどまるなか、ベンチャー企業は11.6%とハイペースで増加。業種別にみると、バイオやソフトウェアなど、ハイテク産業が中心。賃金も全体の11%増に対して、バイオ18%、半導体16%、ソフトウェア14%と軒並み平均を上回る増加。高付加価値産業の台頭によって魅力的な雇用を創出し、成長力や競争力を強化するうえで、ベンチャー企業が果たす役割は大。こうした傾向は主要先進各国を通じて総じて看取。
(ハ) そもそもベンチャー企業は、わが国と諸外国とを問わず総じて見るべき過去の業績は存在せず、社内リソースは不足し、確固たるビジネスモデルが未形成。しかし、各国ではベンチャー企業が一定の役割と信頼を確保、経済成長を牽引する主要プレーヤーとしてビルトイン。政府の裁量や恣意的介入を排除した専門家による厳格な審査・評価制度のもと、ベンチャー企業向けを含め研究開発から事業化プロセスに至る手厚い支援が焦点。その結果、事業リスクが軽減されて民間の参入が促され、ベンチャー企業が活躍するチャンスが拡大。様々な取り組みのうちとりわけ見習うべき課題は次の3点。

1.研究開発支援…
各国政府は、研究開発投資を積極化させ、企業のR&D活動への直接的資金供与を積み増し。グローバル競争激化のもと、企業セクターでは選択と集中の経営革新が進行し、基礎研究をアウトソースする動きが拡がるなか、イノベーション型成長戦略の推進に向け、政府の役割が大幅に拡大。そうした情勢変化に、わが国は逆行。

2.事業化支援…
アメリカの代表的な事業化支援メニューのSBIRでは、各省庁の研究開発プロジェクトの統合と手続きの簡素化によって参加者を増やし、有望な主体に委託したうえで、審査をクリアーしたプロジェクトに対して一般競争入札によらない政府調達を実施。政府調達の効果に注目し、現在、EUでも新たな政府調達の枠組み作りが推進中。

3.海外リソースの活用…
イノベーション型成長戦略の推進力強化に向け、外国人の高度人材や外資を国内に呼び込み、積極的に活用する取り組みが一段と活発化。さらに近年では高度人材の囲い込みを狙って有望な学生を留学生として取り込む動きも本格化。そうしたなか、わが国の取り組みは遅れ気味。
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